こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

 

今回は、、、

「根管洗浄(NaClO+EDTA)」について書きたいと思います。

「根管洗浄」について回を分けて書いてきましたが、今回で最後になります。

「NaClO +EDTA」

この組み合わせは自費根管治療で使用します。

☆NaClO→次亜塩素酸ナトリウムの根管洗浄

☆EDTA→無機質のスメア層除去

脱灰作用により根管壁のカルシウムを溶出させ、

スメア層の除去や根管治療により根管に残存した水酸化カルシウムの除去を容易にします。

次亜塩素酸ナトリウム水溶液に備わっているのは、

抗菌性・組織溶解性・細胞毒性ですが、細胞毒性は濃度が低いほうが良いので、

2.5〜5.25%ぐらいが好ましいと言われています。

EDTAはスメア層を除去するためで、無機質を脱灰できる適切な濃度、17〜18%で使用します。

私は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は 3%、EDTAは18%で使用しています。

使い方は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液とEDTAの交互洗浄です。

次亜塩素酸ナトリウム水溶液は有機質に曝露すると効果が薄まるので、新鮮なものを大量に使います。

一方、EDTAは少量で充分です。

根管貼薬や根管充塡の前には 、交互洗浄時に超音波チップを使いキャビテーション効果を期待して根管内を洗 浄します。

さらに、根管充塡の前には最後にEDTAを根管内に1分間入れて根管壁のスメア層を除去してから、

根管充塡のステップ へ移ります。

根管洗浄後の歯牙の画像も載せておきますね。

上部の画像は、漏洩防止のためにラバーダムと歯牙の隙間をコーキングしているところです。

コーキングは白い部分です。

「オラシール」という材料を使っています。

NaClO +EDTAにおける根管洗浄の場合は、洗浄液の漏洩防止とラバーダムと歯牙にできる隙間からの唾液侵入防止をより徹底的にするため必ずオラシールでコーキングします。

実際の右上7番の根管洗浄後の根管ですが、とてもキレイになってますね( ^ω^ )

複雑な根管系の問題がありますから私は個人的に根管洗浄が一番重要であると感じています。

より良い根管治療を行うためのより細やかな処置や適切な材料を使うことは国の定める予算内で行う保険内診療では、

やはり限界があります…

患者様にはより良い選択をしていただければ幸いです。

 

“すべては患者様の笑顔のために”

 

今後ともよろしくお願い致します。

 

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科