歯を救うために(44)根管洗浄③-NaClO+EDTA-
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、、、
「根管洗浄(NaClO+EDTA)」について
書きたいと思います。
「根管洗浄」について、回を分けて書いてきましたが、
第3回の今回で最後になります。
「NaClO +EDTA」
この組み合わせは自費根管治療で使用します。
☆NaClO→次亜塩素酸ナトリウムの根管洗浄材
☆EDTA→無機質のスメア層除去材
脱灰作用により根管壁のカルシウムを溶出させ、
スメア層の除去や根管治療により根管に残存した
水酸化カルシウムの除去を容易にします。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液に備わっているのは
抗菌性、組織溶解性、細胞毒性ですが、
細胞毒性は濃度が低いほうが良いので、
2.5〜5.25%ぐらいが好ましいと言われています。
EDTAはスメア層を除去するためで、
無機質を脱灰できる適切な濃度、
17〜18%で使用します。
私は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は 3%、
EDTAは18%で使用しています。
使い方は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液と
EDTAの交互洗浄です。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液は
有機質に曝露すると効果が薄まるので、
新鮮なものを大量に使います。
一方、EDTAは少量で充分です。
また 、根管貼薬や根管充塡の前には 、
交互洗浄時に超音波チップを使い
キャビテーション効果を期待して
根管内を洗 浄します。
さらに、根管充塡の前には
最後にEDTAを根管内に1分間入れて
根管壁のスメア層を除去してから、
根管充塡のステップ へ移ります。
↓ ↓ 抜去歯を用いた根管洗浄の動画になります。
根管洗浄後の歯牙の画像も載せておきますね。
上部の画像は、
漏洩防止のために、ラバーダムと歯牙の隙間を
コーキングしているところです。
コーキングは白い部分です。
「オラシール」という材料を使っています。
NaClO +EDTAにおける根管洗浄の場合は、
洗浄液の漏洩防止とラバーダムと歯牙にできる
隙間からの唾液侵入防止をより徹底的にするため
必ずオラシールでコーキングします。
実際の右上7番の根管洗浄後の根管ですが、
とてもキレイになってますね( ^ω^ )
複雑な根管系の問題がありますから
私は個人的に根管洗浄が一番重要であると
感じています。
より良い根管治療を行うための
より細やかな処置や適切な材料を使うことは
国の定める予算内で行う保険内診療では、やはり限界があります、、、
一本の歯を治すための全力投球が
ここにあるんです!!
患者様にはより良い選択をしていただければ
幸いです。
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹