根管治療における診断名
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、、、
「根管治療における診断名」です。
タイトルから教科書的なカタ〜イ感じがしますよね。
患者様向けの情報発信のブログですが、内容的にテーマが人気薄な感じなので患者様受けはよくないことは
重々承知しております。
「こんなことを考えて診療しているんだ」
そんな風に思っていただければ幸いです。
すいません((;゚Д゚)ガクガクブルブル
本題に入ります。
治療には一連の流れがあります。
何度かブログで書いていますが、診査・診断の重要性は今さら言うまでもありません。
治療を行う場合に、診査・診断→治療計画→治療
この過程を経て治療がスタートします。
診査を行い、診断を下す時に私たちはその病気に適切な診断名をつける必要があります。
診断名には、「臨床診断名」と「病理診断名」があります。
これ、中身は字のとおりです。
次に下記の分類をご覧下さい。
学生時代に教わった診断名です。
当時、あまりよく考えずに覚えていた記憶があります(笑)
これは病理組織像を元にした病理診断名の分類になります。
そのため、臨床において治療方針と診断名がなかなか直結しにくいところがあり、
臨床診断名としては使いにくいと言わざるを得ません。
例えば、私が常々思うことで過去に根管治療がされており、
被せ物をやり直す過程で再根管治療を行うケースです。
臨床症状がなく、レントゲンに根尖病変もない。
つまり、炎症所見もないのに、、、診断名をどうするのか?
慢性根尖性歯周炎??
臨床的に適切な診断名が見当たらない。
困ったなぁ〜
大丈夫なんです、ちゃんとあるんです。
最近はAAE(米国歯内療法学会)の診断名を使います!
AAEの診断名分類が臨床診断名として有用であると、
以前に藤本研修会の歯内療法コースで教えていただきました。
この分類は一つの歯に対して二つの診断名をつけます。
①歯髄の状態を表す診断名(Pulpal)
②根尖歯周組織の状態を表す診断名(Apical)
先程のケースであれば、
歯髄の状態としてはPreviously treated(既根管治療歯)、
根尖歯周組織の状態としてはNormal apical tissues(正常根尖歯周組織)
治療方針としては、「被せ物を入れる前処置としての根管治療」ということで
診断名と治療方針の整合性がとれる形になりますね。
診断は治療を行う上で非常に重要であることは、繰り返しブログでお伝えしております。
当たり前かもしれませんが、、、
診査・診断して、その病気に診断名をつけること。
診査と診断に整合性がとれていること。
根拠に基づいて治療方針を決定する。
一つ一つの積み重ねの上にしかより良い治療はないんですよね。
知識と技術の融合を持って患者様一人一人と向き合う。
その気持ちをいつまでも忘れずに♪( ´▽`)
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹