ファイバーコア②
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、、、
前回のブログからの続きです。
まず、最初に支台築造と呼ばれる土台の材料における弾性係数からお話していきます。
支台築造材料であるメタルとレジンの違いは象牙質への応力集中と言われています。
象牙質の弾性係数は12〜19GPaです。
上記の表より、メタルコアや既製メタルポストは低いものでも約60GPa、高いものですと200GPaにもなります。
ところが、レジンコアの場合は約5〜13GPa、これにファイバーポストを併用した場合、15GPa 前後の弾性係数になります。
結果、象牙質と近い近似した数値になるため、応力集中による歯根破折が起こりにくいと言えます。
歯根破折のリスクを減らすためには、象牙質に近似した物性を有するコアの選択が非常に重要なのです。
ハートフル歯科も開業から15年以上が経過しましたが、多くの患者様が来院され治療を行っていく中で、
ファイバーコアを入れた歯に関しては、現在のところ破折を起こしている歯は少ないと感じています。
実際の症例です。
銀歯をセラミックにするために金属の土台をファイバーコアに入れ替えて
治療した症例です。
術前です。
銀歯除去後です。
セメントが残っており、汚れが目立ちますね、、、
汚れたセメントを除去すると、
金属の土台が入っていることが確認できます。
金属の土台を除去して、土台の形成をしたところです。
ファイバーコアを築造しました。
術後です。
セラミックが装着されました。
ファイバーコアに変えることで、歯根破折のリスクを減らしてセラミックを装着することで金属のかぶせ物のような
帯電性による細菌の付着もなくなり、より長持ちできる状態になりました。
永久的に持たせることができるという保証はどこにもありませんが、リスクを減らすことは可能であると思います。
精密な根管治療を行い、痛みから残すことができた歯が割れないようにセラミックの歯を入れて、
噛み合わせ=咬合力をコントロールしながら長期に使ってもらえるような医療を心がけています。
そのためにも、年に4回程度のメンテナンスをお願いしています。
メインテナンス時には、プラーク(細菌叢)や歯石のチェック、時々レントゲンでの根管治療の予後など確認しています。
長期的には、噛み合わせが片減りにならないように、チェックをするようにしています。
何度も書きますが、歯の長期予後は、細菌による歯肉の病気=歯周病。細菌によるむし歯。
噛み合わせの不調和からくる歯牙破折。これらをコントロールすることにつきます。
もし歯が割れてしまった場合は、接着治療などに移行していきます。
しかし、歯冠破折は、保存不可能な場合もあり、抜歯の可能性がでてきます。
破折しないように、ファイバーコアを入れる、メインテナンスで咬合力、噛み合わせをコントロールしていきましょう。
我々は患者様の歯一つ一つを守るために努力し続けていきたいと思います。
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹