歯を救うために(27-③)根管治療と痛み
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、、、
前々回(1.「根管治療をしても痛みが引かない…」)
前回(2.「治療前は痛みがなかったのに、根管治療を始めたら痛みが出てしまった…」)からの続きです。
「根管治療と痛みについて」
3つ目のケースを考えてみましょう!
3.「根に異常がない、根管治療は終了しているのに
痛みの原因が分からない…」
このケースは、私たちも一番頭を悩ませます…(;^_^A
最初に考えるのは見落としがないかどうか、
そして本当に根に問題があるのかどうか、
患歯は間違っていないかどうか…などなど
あらゆる可能性を考えます。
歯の痛みには、
歯原性歯痛と非歯原性歯痛があります。
来院患者の9%は歯原性歯痛と非歯原性歯痛が
混在しており、その内の3%は非歯原性歯痛患者であると
報告があります。
通常、歯痛は三叉神経の疼痛受容器を介して
認識されると言われています。
しかし、非歯原性歯痛はこのメカニズムとは
異なる経路で歯痛を起こすと言われています。
発生メカニズムから、
関連痛・神経障害性疼痛・中枢における神経伝達
物質などの変化や情報処理過程の変調の3つに
分けられます。
関連痛には筋・筋膜性歯痛、神経血管性歯痛、
心臓性歯痛、上顎洞歯痛があります。
神経障害性疼痛には神経障害性歯痛があり、
抜髄や根管治療後に起こる難治性の痛みは
神経障害性歯痛の可能性があると言われています。
中枢における神経伝達物質などの変化や情報処理過程の
変調には精神疾患や心理社会的要因による歯痛、
特発性歯痛があります。
以上のようなケースの場合は、
痛みの専門機関(ペインクリニック)で
薬物療法を行うこととなります。
診断がつかない時は、
歯科における治療を開始してはいけません!
鑑別できない時は、
診断科・口腔顔面痛科・口腔外科などに
対診を求める必要があります。
http://dent-hosp.ndu.ac.jp/nduhosp/section/special/7_56fb0d3847fe2/index.html
「根管治療と痛み」について、
3回にわたって書かせていただきましたが、
お役に立てましたでしょうか?
今後も皆さんが疑問に思うことや
気になることについて、ブログを通じて
「ハートフル知恵袋」として
可能な限りお答えしていけたらと思います。
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹