樋状根は難しい?
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
患者様から「ブログ読んでます!」とよく声をかけていただくことが
最近特に増えたような気がします(笑)
「歯を救うために」をテーマに、
皆様にブログを通していろいろなことをお伝えできていると感じている今日この頃です。
今回は、
「樋状根(といじょうこん)」です。
「根管治療は難しい…」
このような話をよく聞かれると思います。
それはなぜでしょうか?
これは、根管の複雑な解剖学形態によるところが大きいと言われています。
その中でも特に難しいと言われているのが、「樋状根」です。
樋状根? どのような根なのか、、、
樋状根とは、頬側で近心根と遠心根が癒合して、根尖孔が縦向きに楕円形状を呈しています。
舌側には陥凹があり、根尖は舌側へ湾曲しています。
欧米人に比べて 日本人の樋状根の割合は多いと言われています。
樋状根は、樋状根管が頬側癒合部で連結していることが多いため、
感染根管治療時には、洗浄薬液が到達しづらくなります。
また、根管拡大時に癒合部に穿孔しやすいなど臨床上では根管治療の難易度の高い形態であると言えます。
また、好発部位としては下顎第二大臼歯の約1/3に、下顎第三大臼歯の約1/10にみられます。
出現率は男性に約36%、女性で約54%と女性に多いことが分かっています。
根管の形状がCの形に似ているものがありますね。
根が独立した筒状ではなく、アルファベットの「C」のような複雑な形態をしていることから、
樋状根はC-shaped rootとも呼ばれます。
これ、清掃しづらいのです、。・゚・(*ノД`*)・゚・。
根管治療の器具は回転器具が多いですから、
断面が円形からかけ離れた根管をキレイに掃除してそこを根管充填することは、なかなか難しいものがあります。
でも、好発部位の7番は根管治療することが非常に多いのです。
根管治療の成功率は100%ではありません。
状況によって成功率は変わりますが、概ね50〜90%と報告があります。
再治療になればなるほど成功率は低くなると言われています。
成功率の低い、難しい治療であることは根管の解剖学的形態に起因しています。
樋状根のような複雑な根管に細菌感染を起こせば
当然、清掃や消毒が困難であることは容易に想像できるかと思います。
樋状根の問題点を把握して、ラバーダム防湿などのルールを遵守することが重要であると考えています。
次回は、実際の症例について書きたいと思います。
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹