こんにちは!ハートフル歯科総合グループ小坂井竜也です。

今回と続いたシリーズの完結編です!

前回は、下の入れ歯の改善を目指し診査診断を入念に行いました!
今回は実践に入ります。

まずは、下の歯の型取りを行いますが、バネのかかる銀歯に工夫をします。
奥側を直線的に仕上げ、入れ歯とくっつく面積を増やし、
手前側にレストをしき、入れ歯の沈下を防ぎます。

このように削って、歯に負担のかかりにくいバネを設計できるようにします。
そうして型取りを行いました。

次は噛み合わせの型取りです。
これはこれまでのブログを読んでいる方はお分かりの通りでしょうが、KYBiteにて噛み合わせを採得します。

模型上に付着して、噛み合わせをKYBiteの通法通り決定していきます。
ここで面白い事実がわかりました!

入れ歯の噛み合わせが、現在の状態と一致したのです!
これで、現在の噛み合わせが患者さんの持つ自然な動きの中にある「健康咬合」が正しく求められていたことが証明されました!!

この噛み合わせで問題ないので次は仮の入れ歯と金属のフレームの試し入れに移ります。

うん、設計通りに綺麗にできて順調です。
お口に入れて見ましょう!

・・・あれ隙間がある!!!
これは最悪のケースです。模型上ではぴったりだった金属のフレームが口の中ではあいません。

どういうことこというと、作っていただいた技工士さんはまったく悪くありません。
型取りの際の変形か、模型作成の際に何かトラブルが発生してしまったのかもしれません。

こうなっては、1からやり直す必要があります。
このままなんとなく進めると絶対に、患者さん、作ってくれた技工士さん、そして自分自身が不幸になるのです。

そしてそういうエラーを確認するための「試し」の工程なのです。
型をとってもう一度やり直しです!

ただ一つ朗報があり、KYBiteで採得した噛み合わせが安定していたため、もう一度噛み合わせを採得せずにやり直しが可能になりました!
患者さんには申し訳ないのですが、もう一度来ていただき再度試し入れをしていきます。

今回は金属と歯の隙間がなくぴったりです!
これで、噛み合わせの力を分散できます!

バネの部分の適合も問題ありません。
入れ歯の形も奥に広くとられ、問題ありません。
噛み合わせもほぼ大丈夫でしょう!

こうして完成になります!

バネの方もバッチリです!

この入れ歯のバネは入れ歯の前の出っ張りが沈み込み防止、奥の出っ張りと歯と接する部分が歯の保護と入れ歯の揺れを防止、頬側に支える金属は入れ歯の安定性と歯肉にも優しい優れた構造を持っております。

旧義歯との比較です。

上が新しいもの、下が旧義歯になります。
入れ歯も後ろの大きくなりレトロモラーパッドも問題なく覆えそうです。

裏打ちも金属となり、舌感の向上や噛み合わせのたわみも防いでくれるので、残った歯に優しい設計になります。

これを比較すると一発。いかに金属床が薄く仕上げることができるかがわかります。
この厚みが違和感や発音や味覚の向上に優位に効果的なのです。
髪の毛一本の違和感を感じ取れる口腔内でこの差は劇的なものなのです。

噛み合わせも見た目も問題なく受け入れてもらえました!
使ってもらって次回感想を聞かせて頂くことを心待ちにしております。

本当に患者さんがとても良い人で、ここまで文句も言わずについて来てくださったことが全てだと私は感じており、感謝ばかりです!

ここからが調整のスタートなのですが、上下とも最善を尽くした入れ歯を作ることができて、私としても大きく成長させていただいたケースになります!

歯科医師の仕事は
日々、考えながら、しっかり診査診断して、現場で決断していくことの責任と重要性
でも、患者さんを健康的に幸せに導くことのできる可能性のある素晴らしい仕事なのです。

また明日から全力で現場に臨みたいと思います!

全ては患者さんために!

医療法人社団徹心会ハートフル歯科