虫歯の大きい歯の、神経を残す!VPT治療! ⑤〜神経保存の決め手!~歯髄電気診(EPT)と冷温診〜
こんにちは!ハートフル歯科総合グループ 歯科医師小坂井 竜也です。
前回までは、虫歯の大きさによって神経を取らなくてはならない話をしました。
→ https://heartful-konkan.com/blog/dr_inoue/17119
いわゆるC3 神経まで達した虫歯 は従来では、神経治療の対象だったのですが、条件によっては神経を残せるというお話をしました!
そこで一番大事な診断である「神経が生きているか、死んでしまったいるか」
の診断が大きいので、今回はその診断方法についてお話をしていきます。
様々な方法がございますが、ここでは
①歯髄電気診(EPT)
②冷温診断
この2つをご紹介します。
様々な診断の中でこの2つが臨床における信用性が高いといわれているもので、ハートフル歯科でも多用されている方法です。
まず歯髄電気診断からお話しします。
歯に微弱な電流を流し、その反応で、神経が生きているか判断します。
この機械は自動で電流の強さが上がっていき、
通電による、痛みの有無にて判断します。
鈍い痛みが生じるので不快感が出やすいので、患者さんには必ず前もって説明させていただきます。
注意が必要なのは、電流の強さを数字で表していくのですが、この数字と神経の反応の相関はないので低ければよくて、高ければ悪いということではありません。
次に冷温診断です。
冷温診です。l
冷たい物を歯に当てて、痛みの反応を見る方法です。
冷却するスプレーで、濡れたスポンジを凍らせて
歯に当てて反応を見ます。
痛みがすぐ消える場合は正常で、ズキズキが続く場合は、神経を取らなくてはなりません。
また、反応が全くない場合も神経が死んでしまっている、または、存在しないことが考えられます。
これで歯髄電気診断と冷温診断のお話を終わります。
そうして、もし神経が死んでしまった場合は、VPTの適応症ではなくなるので、神経を全てとる感染根管治療となります。
そのほかにも、VPTの適応症にならない場合のお話をします。
①自発痛がある場合
②神経が死んでしまっている場合
③治療中に神経からの出血が止まらない場合
が挙げられます。
①の状態ですと、神経全体に炎症が起こっている可能性が高く、自然治癒不可能なのでVPT適応外です。
②は神経が死んでしまっている状態のものを復活させることはできません
③は出血があるということは、炎症が起きており、感染している神経を除去した後も出血が止まらない場合は、治癒は不可能と診断します。
①②③の状態になると不可逆性の歯髄炎で治癒不可能との判断になりますので感染根管治療の適応となります。
ここまでは基礎的な診査診断のお話になりました。
次回は、ついにVPT治療の実際の手順のお話になります。
全ては患者さんのために!