虫歯の大きい歯の神経を残す!VPT治療! ③神経を取るデメリット メリット
こんにちは!ハートフル総合歯科グループ 歯科医師 小坂井竜也です。
前回までは、基本的な虫歯の4段階についてお話していきました。
今回は、神経を取ってしまうと発生するデメリットと
神経を残すメリットについてお話をしていきます。
患者さんの中の多くは、神経をとってしまうデメリットなんて聞いたことないよ!
という方がほとんどだと思います。
これは、やや致し方ない面もあるのです。詳しくは、後半にお話しします。
ではまず、神経を取るリスクを説明します。
①歯が脆くなり、割れやすくなる
神経からの血液循環がなくなり、水分がなくなるからと言われている。
(最近では諸説あり、歯質の量が少ないから割れやすいと言った観点があります。しかし、神経を取る際には、虫歯でそもそも歯質が少なかったり、歯質を多く削らないとならなかったりするので、結局は結果変わらないということです。)
②虫歯ができても気付きにくい
この問題は、厄介で、被せ物の内部で虫歯が広がっても内部で広がり、被せ物が脱離した際には修復不可能なくらい進行が進んでしまう点です。
③歯の変色
これは象牙質のコラーゲンが神経を取ってしまうと血液循環がなくなり、変性して、象牙質の色が濃くなってしまうからです。特に前歯で目立ちやすく、ホワイトニングで対応は可能になりますが、他の歯との色調の再現は難しくなります。
④歯の再感染
これは②との関連もあるのですが、虫歯の進行もあったり、神経の血液循環の喪失による抵抗性の低下が挙げられます。
だから、神経を取った歯なのに6〜10年も経つと痛み、違和感が出てしまう理由です。
こういう歯は神経が無いため、自身の抵抗力に影響されます。
このように、神経を取った後にはリスクが生じるのです!
これらが、神経をとった後に起こるデメリットです。
総括すると、【歯の寿命が短くなってしまう】
ことが一番のデメリットだと考えられます!
このお話は治療前にはあまり聞いたことがないかもしれません。
歯科医師は、治療において患者さんに取ってのメリット、デメリットをいつも必ず天秤にかけいます。
神経を残すメリットがいくら多くても、日常生活に支障をきたすような痛みが続くようなら、神経を取ってしまいます。
これが、術前に患者さんにデメリットのお話がなかなかできない理由です。
日常生活で痛みが出ている時点で、神経は除去しなくてはならないケースがほとんどですから・・・
そもそも痛みがなくても、歯の神経が死んでしまった状態を放置してしまっては割れやすかったり、根っこが吸収してしまうこともあります。
だから、審査、診断は大切なのです!
次回は、そもそもC3の歯の神経をすくう方法があるのか?
というお話をしていきます!
全ては患者さんのために!