虫歯の大きい歯の、神経を残す!VPT治療! ②〜虫歯の4段階についてC3 C4〜
こんにちは!ハートフル歯科総合グループ 歯科医師 小坂井 竜也です
前回は虫歯には4段階あり、そのうちのC1、C2についてお話をしていきました!
https://heartful-konkan.com/blog/dr_inoue/16908
今回は一番肝となるお話の、「C3」のう蝕、神経まで達した虫歯についてです。
従来では、C3の神経に達した虫歯の場合は神経を取らなくてはなりませんでした。
なぜなら菌に感染して炎症を起こした神経は、自然治癒が難しいからです。
実際のC3では、こんな見た目をしていることが多いのですが、内部で大きく広がっていることが多いのです。
しかし、近年では、虫歯が神経に達していても、感染している部分の神経を除去してしまえば
残った神経を温存できる方法があるのです。
実は、小児歯科では、乳歯や萌えたての永久歯だったら神経の活動が活発なので、前述の治療で、その後は水酸化カルシウムとセメントで封鎖できれば神経の保護は可能でした。
しかし、通常の永久歯では、感染した神経を除去したあと、封鎖できる良いセメントがなかなかなかったので、難しい処置でした。
そこで近年出てきたのはMTAというセメントです。
このセメントは、出血等、濡れたところでもしっかり硬化して、持続的殺菌性もあり、硬組織誘導能という、歯の神経に働きかけて、修復象牙質を作るのを促す効果のある優れものです。
MTAの存在が、近年の神経保護の概念を変えたと言って良いでしょう!(レジン系の歯質接着性の向上も一因)
これを用いて、神経の保護をしていくと治療の予後は90パーセント以上とのことです!
しかし、簡単になんでもC3の神経温存ができるということではありません!
神経が残せるかどうかの術前の診断がものすごく重要で、これが一番治療後の予後を左右するのです。この説明は後半の方でお話しします!
※MTAは自費治療になります。症例によって価格の違いがある可能性がございます。
最後に〔C4〕についてです。
これは、虫歯が広がってしまい、根っこだけ残ってしまった状態です。
この状態、は基本的に保存不可能です。
神経を取ってしまうと虫歯で痛みを感じないため、被せ物の中が虫歯だと、あっというまに進行してしまうことがあります。
こういう意味でも神経を残した方が良い理由がわかりまね!
これで基礎的な虫歯の4段階についてお話が終わりました!
次回は、そもそも神経を取ってしまうデメリットや神経を残すメリットについてお話をします。
神経を取る処置の前には意外と、患者さんに説明されていないことの多いお話なのですが、非常に重要なポイントですので、詳しくお話ししていきます。
全ては患者さんのために!