新年明けましておめでとうございます。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。

今年もよろしくお願い致します。

 

今回のテーマは、、、
「生活歯髄療法」です。

生活歯髄療法=Vital Pulp Therapy
VPTと呼んでいます。

まず最初に「神経を残す大切さ」について

説明していきますね。

簡潔に説明しますと、

歯の神経には歯を守るための多くの大切な機能が

備わっています。

歯にとって大切なものと言えます。

根管と呼ばれる神経の部屋には、

痛みや感覚を司る機能以外にも、

象牙質を作る細胞や免疫を担当する細胞、

栄養を送る血管などが存在します。

これらの機能は、歯の異常を感じて

痛みを感じたり、修復や細菌に抵抗するような歯を守るための調節・機能を

行っております。

当然、歯の神経が死んでしまったり、

治療により神経を取り除いてしまうと、

これらの機能が全て失われてしまいます。

痛みを感じないため、むし歯の再発や

ひび割れなどのサインにも気づきにくく、

手遅れになることもあります。

ハートフル歯科の『痛くない・削らない・抜かない』ためには、まず「神経を残す大切さ」を知ってもらいたいと思います。^_^

それでは、本題に入りましょう!

「神経近くまで深いむし歯が見つかった…」
このような状態に困っている患者様にカウンセリングすることがよくあります。

この治療方法の成功率は神経のダメージに

左右されると言われております。

「神経のダメージ??」

つまり、神経のダメージが少ないか多いかと

いうことです。

神経のダメージが少ない場合はどうでしょうか?

感染源を除去して封鎖を確実に行うことで、

神経の治癒が起こり、健康度を取り戻して

回復します。

それでは、
神経のダメージが多い場合はどうでしょうか?

感染源を除去しても神経が回復できず、

死んで腐敗していきます。
治療は失敗してしまい、根管治療が必要と

なります。

ところで、診査の段階で神経の生活反応が

ない場合、つまり死んでいる場合にこの治療法は

有効ではありません。

但し、神経のダメージを正確に測定することは

現在の診療所レベルではできないと

言われております。

私たちは、冷・温熱診、電気診など

神経の診査を行い、神経の状態をある程度

予測して総合的に診断するしか

手段はありません…

ここで代表的な冷水診と電気診について

ふれておきますね。

歯髄診断のための歯牙冷却材

「パルパー(GC社)」です。

一過性の冷水痛か間欠性の冷水痛かを

診断します。
間欠性というのは持続的な痛みを表します。

電気診を行う時に使用する

「パルプペンDP2000」です。

歯髄電気診とは歯に微弱な電流を流し、

その反応で歯髄の生死を鑑別する検査法です。

生活歯(神経が生きている歯)では

通電によって痛みが起こるが、

歯髄が壊死した歯では痛みが起こりません。

但し、歯髄電気診で歯髄の病態を

正確に診断することはできません。

あくまで、生活しているか否かの診断のみに

とどまります。

 

生活歯髄療法はいくつかありますが、

ここではその全ては省略させていただきます。

私たちが普段の診療で行なっている

生活歯髄療法は「部分断髄法」

主に行っております。

ダメージを受けた神経を部分的に切除して

健康な神経を残す方法です。

生活歯髄切断法は、従来から方法としてはありましたが、乳歯などで行うものでした。

予後に関しては、不透明であると感じています。

今は、1998年MTAセメントが開発され、歯髄保護、歯髄保存の救世主として

世界的には広く認知されています。

しかし、日本国内では、保険内で使用が出来ず、

治療が受けられる施設は、限られています。

なぜそうなるのでしょうか。

MTAを使用した歯髄保存療法が広まらない理由

1、ラバーダムが必須
2、マイクロスコープの必要性
3、滅菌バー、滅菌綿球の必要性
3、学生時代には存在していなかった手技、素材(MTAセメント)だから、分からない。
4、単純に1〜3番に関して、やったことのない不安

上記の理由から一般化されていません。

また、保険医療費の支払い方法が出来高制のために、

無理に神経を残す治療をしてあとで痛みが出て怒られるよりも

神経を取ってしまえば良いと考える歯科医師がいることも現実です。

ブリッジ(1本はのないところに、3本つながった歯を作ります。詳細は、別記)を作るために、

便宜抜髄と言って、痛くない歯の神経を取ることも場合によっては推奨されていることも現実です。

もちろん、便宜抜髄をしなければならないこともありますよ。

MTAを使用した治療がもっと幅広く保険治療に導入されれば、世界は変わると思いますが、

今のところ(2019年)難しいと思います。

続きは次回以降、症例を挙げて説明していきたいと思います。

 

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科