こんにちは!ハートフル総合歯科グループ 歯科医師 小坂井 竜也です。

先日、飛び込みで当院にいらっしゃった方のお話をしようと思います。

その方の主訴は子供が奥歯が痛い痛いといっている!

少し前に行った未就学児検診(学校に入る前の検診)では特に問題ないと言われたのどうしてだ!!

と、お母様がおっしゃっていました!

何にも問題ないと言われたばかり、しかもこれから小学生に進級するお子さんですのでびっくりするのも不思議ではありません。

お子さんのお口の中を拝見し、結論から申しますと「萌出性歯肉炎」という診断名となりました。

これは、6歳臼歯が萌出中の時によく見られる症状です。

5〜6歳によく見られ、完全に歯が生えるまで半年ほど歯が、歯肉にかぶってしまう状態が続くので、そこに歯垢(プラーク)が溜まり、歯肉が腫れてしまう状態なのです。

これが続くと問題になるのは

①痛みがあり、食事が不自由になる

②生えかけの歯(幼若永久歯)は弱いため、溶けやすく、虫歯になりやすい

といった問題が上げられます。

とくに②の問題は深刻で、歯が溶けやすい上に歯質も薄いため、中の神経との距離が近く、虫歯になってしまったら急速に神経まで到達してしまうことがあります。

さらに悪いことは、萌えかけの歯は根っこが未完成のまま生えてくるので、神経まで虫歯が到達してしまったら、その歯自体の予後も悪くなります・・・(つまり寿命が極端に短くなる)

では、どうしたらこの問題は解決できるのでしょうか?

それは、プラークコントロール。つまりブラッシングなのです!そして仕上げ磨きはやはり6歳臼歯が生え終わるまでは必須となります!

生えかけで、歯肉に塞がれてしまっている歯はなかなか磨けないものです。

しかし、歯肉ごとマッサージするように磨いてもらったりするのも効果的です。

一番良いのは、歯肉の内側の歯を直接ブラッシングすることなのですが、なかなか通常の歯ブラシでは届きません・・・

ここで登場するのが「タフトブラシ」です!

画像の上のもので、毛先が極端に小さいものです!

親知らずのブラッシングに使われたりしますが、仕上げ磨きの際に非常に強力なものとなります!

このブラッシングを続けていき、定期的にメンテナンスに来ていただければ、予後は良好なものになります!

この萌出性歯肉炎が起こりやすい時は、前歯の生え変わりや歯並びに関してリスクが見えてくる時期でもありますので、お子さんの奥歯が気になったりした場合は、お気軽にご相談ください!

全ては、患者さんのために!

医療法人社団徹心会ハートフル歯科