みなさんこんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮です

 

今回から歯牙移植症例集2024の第2弾をお送りします

今回お送りする歯牙移植は失活歯(根管治療済みの歯)を移植する移植術となります

 

前回は移植を行う上での移植歯の条件について触れながら今回の計画についてお話しました。

前回のブログはこちらから

歯牙移植症例集2024②〜術前編〜

 

今回はこの黄色い丸に囲まれた保存不可能な歯の抜歯についてお話していきます。

レントゲンでもぱっくりと割れていることがわかると思いますが、

ここ最近折れた歯根ではなく、患者さんはずっと割れていた状態だということは知っていたそうです。

痛みもなくなるべく抜きたくないという思いから今に至っていたそうです。

 

陳旧性(古い破折や古い感染)の場所の場合、

感染自体の進行度や歯周組織のダメージが読めないので

抜歯後待機移植といって保存不可能歯の抜歯から4〜9週間

歯肉の治癒を待ってから歯牙移植に切り替えるようにしています。

 

抜歯後待機移植にすることで

・移植床付近の歯周組織の回復期に移植ができるので保存不可能歯の状態に影響を受けにくい

・抜歯後時間を置くことで抜歯窩の歯肉が治癒するので移植歯を緊密に縫合ができる

 

以上の点から炎症がある場所への移植は待機移植を勧めています。

 

今回の歯も割れている歯根に負担をかけないように噛み合わせの調整をしている歯でした。

きっとしっかり噛むと痛い歯だったのでしょう。

銀歯が調整され傷だらけになっています

 

移植を行うことを前提にまずは保存不可能歯の抜歯を行います。

抜歯をした状態がこちら

中に残る炎症性の組織は綺麗に掻爬して空っぽにしています

抜歯した歯がこちら

破折をしている歯根だったため銀歯のついた歯根から爪が剥がれたように

歯根が分離しています。

それだけではありません。赤い丸っぽいもの、これが不良肉芽(炎症性の組織)です

長年破折した歯根を置いておいたことで炎症が広がったのでしょう。

このまま移植歯を入れても感染源に移植歯を入れることになるので生着は厳しいでしょう。

不良肉芽の除去をしっかりと行い移植床の治癒を待って移植へ切り替えます。

抜歯後6週間後の状態がこちら

穴が塞がり始めていますが、完全には塞がっていません。

術後9週程度までは抜歯した場所の歯槽骨も吸収を始める前なので

いいタイミングで移植へ切り替えられそうです。

 

次回からは手術編をお送りします

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科