先日、年間コースで通っている矯正セミナーに参加してきました。

 

今回のテーマは「レベリングとオーラルハイジーンコントロール」

 

レベリングとは歯科矯正の初期の段階で行われる作業。

歯列を整えるためには重なった歯を整えたり、

高さの低い歯は起き上がらせたり、高さの高い歯は引っ込めたりと

まず矯正で並べるための下準備が必要です。

矯正というマラソンのスタートラインに立つための作業と言っていいでしょう。

形状記憶の柔らかいワイヤーで徐々に歯を動かしていきますが、

歯並びの状態によってレベリングにかかる時間は変わります。

歯列の凸凹具合や骨格の状態によりその期間は約半年~1年と個人差があります。

しかし綺麗に歯が並ぶかどうかはこの初期に行うレベリングがベースとなるため

治療完了時の仕上がりに差がついていきます。

地味な作業ですが一番重要なステップです。

セミナーでは様々な種類のワイヤーと

その特性、使用の仕方、ブラケットとの相性について学びました。

 

続いてオーラルハイジーンコントロール

オーラルハイジーンとは口腔内衛生のこと。

矯正治療中、特にワイヤー矯正では固定式の装置(患者さんが自分で外せないもの)

を装着するとそれだけで虫歯のリスクが3倍増加すると言われています。

それならマウスピース矯正ならつけ外しができるし大丈夫!

そう思われている方も少なくないと思います。

マウスピース矯正の場合、患者さん自身でつけ外しが可能ですが、

マウスピースが入っている間はお口の中で唾液が回りません。

唾液には洗浄作用や抗菌作用があり、虫歯や歯周病からお口の中を守る働きがありますが、

マウスピースを入れている間はそう言った作用は十分に働きません。

結果として矯正治療中は虫歯や歯周病のリスクが上がるのは

ワイヤー矯正であってもマウスピース矯正であっても同じことなのです。

歯科衛生士さんの定期的なサポートと共に矯正治療中の患者さんの口腔衛生に対しての

モチベーションアップをいかに保つかの講義をされていました。

 

私自身も普段の診療で

矯正治療中の患者さんの虫歯治療に多く直面しています。

歯を動かして綺麗な歯並びにすることも大切ですが、

その後健康なお口を維持できるかは、「今」にかかっているんだよと

伝えていきたいと思います。

 

実習ではブラケットと呼ばれる

ワイヤーを装着する装置の製作と取り付けを行いました。

こういう装置が入るといよいよ矯正スタートか~

という気分になりますね。

来年からの実習からは実際に歯を動かす実習が始まります。

他のセミナーでも一度行った実習なので、

復習も兼ねて深い学びができるよう、しっかりと予習して臨みたいと思います!

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科