マイクロスコープを用いた破折ファイルの除去②
みなさんこんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮です
前回からマイクロスコープを用いた破折ファイルの除去についてお話をさせていただいております。
前回のブログは
根管治療とは
をメインにお話しさせていただきました
前回のブログはこちら
今回はファイルの破折はどうして起こるのか?
その原因についてお話していきたいと思います。
①根管の曲がり
→歯の根管の形態は複雑で曲がったり細い箇所が点在しています。ファイルが通過する際に
無理をしてしまうと曲がってしまい、破折することがあります。
②ファイルの劣化
→保険診療での根管治療の場合、使用器具は使い捨てではなく、滅菌処理をして使いまわすこと
がほとんどです。ファイルは使用回数や曲がりなどが影響して劣化し強度が低下します。
劣化したファイルは破折しやすくなります。
③不適切な使用
→ファイルを適切な圧力や角度で使用しなかったり、根管内での力の制御が難しいときに
ファイルが破折することがあります。
④根管の形状による制約
→根管の形状や複雑さによりファイルが詰まったり根尖を超えたりすることで破折のリスクが
高まります
⑤ファイルのサイズ
→大きすぎるファイルを使用した場合、根管内での動きが制御できなくなり破折のリスクが
増します
保険診療で使われるファイルはステンレス製のものが多く、硬くてパワーがある反面、
しなやかさに欠け先端まで届きにくいといった弱点があります。
そのため、保険診療での根管治療は先生の経験と勘によるものといっても過言ではありません
暗くて狭い根管内部の汚れを完璧に取り除くことは至難の業です。
マイクロスコープもない肉眼でそれを行うのには限界があります。
そうした環境下で無理に根管治療を進めようとすればファイルに負担がかかり、破折につながる
と考えています。
ファイルの破折は根管治療のリスクの一つではありますが、
歯科医師の経験と適切な手法により破折のリスクを最小限に抑える努力が行われています。
マイクロスコープもそのひとつ。
肉眼では折れてしまったことさえ気が付かないこともあるのです。
根管内に異物がないか、しっかりと治療が進んでいるか確認するためには
必須の道具と言えるでしょう
患者さんに対しても治療前に十分なリスクを説明し、
リスクを低減した治療を提供するべきだと考えています。
次回は破折ファイルを放置しておくことでのリスクについてお話していきます。
ファイル破折が起こった時、マイクロスコープがあれば除去ができるかもしれません。
根管治療をしっかり行いたいとお思いの方はマイクロスコープの設備のある歯科医院へ
是非ご相談ください!
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・