論文が掲載されました⑩〜移植歯の被せ物〜
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します
この度、日本臨床歯科CADCAM学会で論文が掲載されました。
以前のブログはこちらから
歯科医師向けに書いた論文ですので何回かに分け患者さんにもわかりやすいように
解説をしています。
前回までで移植歯の根管治療まで行いました。
今回は最終話被せ物のお話をしていきます。
デジタル歯牙移植術~歯牙移植術をDX化する~
ハートフル総合歯科グループ 野田裕亮
咬合負荷のタイミングと歯冠修復
十分な歯根膜が付着した歯を元の抜歯した穴に再植した際に再付着による治癒が起こる期間は
およそ8週間を言われています。移植の場合、抜歯した穴と移植歯が完全に一致することはないので、
どんなに早くても術後8週間以上は空けて移植歯の動揺度に問題がなければ仮歯へ移行します。
この8週間は前のブログでも書いた
移植後固定期間4週
根管治療の期間4週
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合計8週間
ここで「4週+4週」が効いてくるのです。
ここで仮歯を入れることで
噛み合わせの問題(噛んだ時に痛くないか、揺れていないか、噛み合わせのバランスを整える)と
清掃性の問題(ブラッシングの改善)を診ていきます。
歯根の形が変わればそれに伴い、被せ物の形も変わります。
患者さんのセルフケアの見直しが必要になるケースが多いため、
最終的な被せ物になる前に歯科衛生士によるブラッシング指導により
セルフケアの見直しをお勧めしています。
噛み合わせの問題、清掃性の問題ともに問題がなければ最終的な被せ物へ移行します。
10回に渡り患者さん向けに歯牙移植について改めて解説をさせていただきました。
いかがだったでしょうか?
ここまでが歯牙移植の流れです。
治療期間はおよそ3~4ヶ月。ご自身の歯として保存ができれば
噛み応えも回復でき、将来矯正も考えることができるので、
将来の選択肢を狭めない万能な治療だと思います。
しかし歯牙移植はインプラントよりも成功率が低く、
(インプラントは95%前後、歯牙移植は90%前後なので実際はそんなに低くない)
何よりも手術の煩雑さから取り扱っている歯科医院が多くありません。
あなたにとって最良の治療と思えば、歯牙移植のある歯科医院を調べてみるのもいいかもしれません。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・