こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

今回から歯牙移植症例集2023⑤というテーマで歯牙移植の症例をお伝えしていければと思います。

 

今回は保険での歯牙移植についてお話していきます。

 

患者さんは右上の奥歯が腫れたとのことでご来院いただいた40代の男性。

術前のレントゲンでも歯根を取り囲むほどの影ができているのがわかります。

おそらく破折やパーフォレーション(歯根に穴が開いている状態)による炎症があるのでしょう。

 

痛みも有していることから、抗生剤の処方後に抜歯を行いました。

しかし、右上はすでに1本派が抜かれており、今回抜歯をしたことで2本欠損となってしまいました。

 

通常、こういった欠損状態ではインプラント治療か部分入れ歯しか治療法がありません。

実はこの症例、当医院の他ドクターから歯牙移植可能かという相談をいただいた症例でした。

 

患者さんにも馴染みのない治療ですが、歯科医師にとっても同様に馴染みのない治療なのです。

私にご紹介してもたった際にはすでに右上6の歯は抜歯された後の状態でした。

 

抜歯後C T撮影により移植床となる部分の骨幅の確認と、

唯一残っている右下の親知らずのサイズ確認を行いました。

 

右下の親知らずは複根歯で、移植歯の条件としては単根に比べ難易度が高いものでしたが、

右上の移植床の幅から適応と判断し、歯牙移植適応可として患者さんにもお伝えをしました。

抜歯前にはインプラントか入れ歯しかないと言われていたこともあり、

歯牙移植によって歯が残せるなら、また保険適応の治療ができるならと

ぜひ歯牙移植をということでしたので、抜歯した右上6番部の歯肉の治りを待ちながら、

歯牙移植を行う計画を立てました。

 

次回からは〜手術編〜

実際の移植手術をお話していきます。

 

保存不可能と言われた場合、

もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません

抜いてしまうその前に一度ご相談ください。

 

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科