こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

今回から歯牙移植症例集2023⑤というテーマで歯牙移植の症例をお伝えしていければと思います。

 

前回から保険での歯牙移植についてお話しております。

 

前回は〜導入編〜として保存不可能歯の抜歯からC Tによる診断までお話しました。

詳しくは前回のブログをご覧ください。

https://heartful-konkan.com/blog/23110

 

今回は〜手術編〜

実際の手術の流れについてお話していきます。

 

それでは前回のあらすじから

患者さんは右上の奥歯が腫れたとのことでご来院いただいた40代の男性。

術前のレントゲンでも歯根を取り囲むほどの影ができているのがわかります。

歯牙移植に先立ち、抜歯と根尖部にある炎症組織の掻爬を行います。

(他ドクターにより治療をしてもらったので写真がなくスミマセン)

 

抜歯後C T撮影により移植床となる部分の骨幅の確認と、

唯一残っている右下の親知らずのサイズ確認を行います。

 

歯肉の治りを待ち、歯牙移植へと移行します。

ここまでが前回までの流れです。

 

抜歯をして6週間後の状態がこちら

窪みはありますが歯肉の色もきれいなピンク色を呈していて状態はすごくいいです。

これが移植予定の親知らず。

やや内側に傾斜しており、このまま残しておいてもケアは大変な親知らずです。

今回はこの親知らずを利用します。

 

切開剥離を行い、抜歯窩(抜いた穴)に入り込んだ歯肉をきれいに整えます。

歯牙レプリカを試適した状態がこちら

(現在は自費歯牙移植のみ歯牙レプリカを使用しております)

歯牙レプリカを試適した時点で浮きもなく、ピッタリ移植床に入るのが確認できました。

右下の移植歯の抜歯を行い、移植床へ植立していきます。

移植歯と歯牙レプリカの比較です。

複根の複雑な形態でしたが、歯牙レプリカの再現性が高いことがわかります。

移植歯を植立したら縫合固定と医療用接着剤により二重固定を行います。

この状態で4週間安静にしてもらいます。

食事ではなるべく反対側を使うように。

1週間の歯ブラシ禁止とその後は上から軽く磨く程度に。

 

次回は〜固定除去編〜

手術後の経過をお話していきます。

 

保存不可能と言われた場合、

もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません

抜いてしまうその前に一度ご相談ください。

 

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科