こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

今回は、「歯が残せるか」ということをテーマに考えていきたいと思います。

症例です。

40才 女性

左上5番

昨年末にセラミックの被せ物にやり直す治療を行なったそうです。

ところが、2ヶ月ぐらい経過して土台から被せ物が脱離してしまいました。

さて、どうしましょうか?

歯を残せるかどうかを患者様とお話していきます。

術前レントゲン写真です。

歯根の長さは十分あることが確認できます。

実際の口腔内を確認してみました。

意外と歯が残っていました。

しかし、頬側は歯肉同縁ぐらいですが、口蓋側はやや歯肉縁下でした。

レントゲンでも歯根の長さはしっかりあったので、エクストルージョンで歯根を引っ張り上げるほどではなかったため、口蓋側のみクラウンレングスニングと呼ばれる外科処置で歯肉を調整する術式を選択しました。

“術式展開 破壊殺・羅針”

鬼滅の刃は本当に面白かったです(๑>◡<๑)

“領域展開”なんてのもありますね…

ジャンプ漫画は大人になった今でも大好きです。

すいません、話を戻しますね。

クラウンレングスニングとは、歯冠延長術とも呼ばれる歯肉処置の治療法です。

虫歯が進んで歯肉の上に出ている歯の部分(歯冠)がほとんど無くなって、歯根の方までむし歯が進行して歯肉が覆い被さる状態になってしまうと、通常の治療では歯に土台が作れないため、抜歯適応となってしまいます。

しかし、クラウンレングスニングで歯肉を少し下げて、歯肉の下にある根を露出させることで露出した根に土台を立てることが可能になるため、抜歯しないで被せ物を作ることが可能となります。

緑色部分の歯肉を切除して口蓋側の歯肉を調整する予定です。

被せ物が脱離した場合にやり直す必要に迫られた時は、私は必ず装着する被せ物の対合関係を確認します。

今回のケースは上下の噛み合わせスペースが結構少ないです…

脱離する原因の一つですね( ´Д`)y━・~~

クリアランスが厳しいケースであることが想定されます。

つまり、土台が必然的に低い形になります。そのため、被せ物との維持が取りづらくなります。結果、脱離しやすいリスクを抱えているというのが現状です。このような想定される問題点は患者様に必ず事前に説明するようにしています。

今回はここまでになります。

次回は、外科処置の前に歯の根に支台築造と呼ばれる土台を作り、仮歯を作製するところまで進めていく予定です。

そして、クラウンレングスニングを行っていきます。

今日も一日頑張りましょう!

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科