歯牙移植症例集2022⑦〜最終補綴編〜
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回は今年7シリーズ目となる歯牙移植症例集となります。
前回から準備編、手術編、固定除去編、根管治療編、被せ物編と5ターンに分けて
お話させていただいております。
以前のブログやY O U T U B Eも一緒にご覧いただければ
歯牙移植のイメージもつきやすいと思います。
よければそちらもご覧ください。
ブログページ内のT A G タグ内の「Dr.野田」もしくは「歯牙移植」から
過去の投稿に飛ぶことができます。
今回は最終章、被せ物編となります。
前回は左下移植歯の根管治療を行いました。
前回のブログはこちら
前回までの治療の流れがこちら
固定除去の状態
根管治療が終わった状態(根管充填時)
根管充填が終わったら少しずつ食事でも使えるように
仮歯を作り負荷をかけていきます。
最終的な被せ物を想定しながら噛み合わせ、清掃性に気を付けて
デジタルで仮歯を作っていきます。
グラスファイバーの土台を立て、
仮歯まで入りました。
当院ではこの状態で歯科衛生士さんによるフロスの指導やブラッシング指導を
行なってもらっております。
いくら完璧な手術が行えても、それが成功となるか失敗となるかは
その後のメンテナンス次第だからです。
移植歯はご自身の歯ですからインプラントと比べても噛んだ感覚、
噛み応えが自然と言われております。
また歯を残すことにもなりますのでなるべく歯を残したいというご希望に沿った
治療であると考えます。
しかし良くも悪くもご自身の歯です。
しっかりしたケアがなければ、むし歯にも歯周病にもなってしまいます。
仮歯のうちにしっかりとしたケアができるよう、口腔内環境の改善をお薦めしております。
それはもしかしたら歯ブラシの仕方だけでなく、
食生活や生活環境の変化が必要になるかもしれません。
当院ではS M Tという唾液検査による口腔内リスクの判定と
それに合わせた予防プランの立案も行なっております。
治療をして完了ではなく、同じことで苦しまないように環境改善することこそが
本当の治療だと考えております。
(話が脱線してしまいました・・・。)
仮歯で噛み合わせのチェックをして、
痛みや揺れがなければ最終的な被せ物へと移行します。
仮歯の形態に修正点がなければ、仮歯のコピーを撮り、
同じ設計でセラミックへ材質だけ変更する。
デジタルの強みです。
仮歯と全く同じ状態で本歯に切り替わるので違和感はほぼありません。
移植により2本の歯を救うことができました。
患者さんにも喜んでいただきよかったです。
後は長く維持ができるようにしっかりと予防を進めていきましょう。
保存不可能と言われた場合、
もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません。
抜いてしまうその前に一度ご相談ください。
あなたの歯が1本でも多く残りますように・・・