歯の変色の原因は?
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回は、右上第二小臼歯の根管治療をした患者さんの治療について書きたいと思います。
前回のブロブです→https://heartful-konkan.com/?p=19071&preview=true
前回は右上の前から5番目の第二小臼歯の診査診断を行いました。検査の結果は患者さんの症状は特にありませんでしたが、歯の変色、X-P写真の所見の根尖部の透過像、電気歯髄診断での反応がないことなど総合的に判断して根管治療が必要と判断しました。
今回は、根管治療について書きたいと思います。
歯の神経がない失活歯ではありますが治療中になるべく痛みや不快な症状がないように歯科用麻酔を行います。
歯肉などの軟組織にいきなり麻酔の針を入れると痛みが出る可能性が高いため、表面麻酔のジェルを麻酔の針を入れる部位に塗ります。その後、麻酔の針を入れていきます。
麻酔が効いているかを治療する右上第二小臼歯周囲の歯肉を触ったりして確認します。
麻酔が効いていることが確認できたら根管治療に入ります。
咬み合わせを確認してみます。咬み合わせが強く当たっています。根管治療をするときには、歯の咬む面をドーナツのように穴を開けます。その穴から根管口を見つけ根管をキレイにしていきます。そのため歯質が薄くなります。咬み合わせが強く薄くなった歯に力が加わると歯にひびや破折などが起こる可能性があります。ひびや破折の状態にもよりますが場合によっては保存ができない場合もあります。患者さんによく説明してから、根管治療中に強く力がかからないように調整します。
咬み合わせを調整すると…
歯質が茶色に変色している部分が確認できました。中でむし歯になっていました。
やはり、この歯は中でむし歯が進行して歯の神経(歯髄)の部分まで細菌が感染したと思われます。そして、歯の根の先が化膿してX-P写真で根尖の透過像といって黒い影が確認されたと思います。
咬み合わせが強く当たらないかを咬合紙を使用してチェックします。咬合紙は赤色と青色があります。垂直的にカチカチ咬んでもらう動きと水平的に歯ぎしりしてもらう動きをみていきます。
次回は実際にドーナツのように歯に穴をあけて根管治療を進めていきます。
今後ともよろしくお願いします。
井上貴史