こんにちは
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回は、右上の歯の被せ物が脱離し来院されたエクストリュージョンを行った患者さんのケースについて書きたいと思います。
前回までのブログです→https://heartful-konkan.com/blog/18920

前回は被せ物が外れて、歯の上に歯肉がのっているぐらい歯質がないことについて書きました。
このままではこの歯に被せ物をすることは難しいです。
歯を矯正的に引っ張り上げる小矯正のエクストリュージョンを行うことになりました。
エキストリュージョンは今回のようにむし歯が進行して歯の頭の部分(歯冠)がなくなり歯質の量が少ない場合や歯の破折により歯質が少ない場合などに行います。
エキストリュージョンは自費治療となります。
実際の治療になります。
今回のケースでは、右上第二小臼歯の被せ物と土台が脱離してしまいました。歯質の量がないです。右上第一小臼歯は治療する前にはすでにありませんでした。
患者さんにエキストリュージョンの治療法についてよく説明し同意を得ました。
まず、エキストリュージョンを行うために印象という歯型をとります。石膏模型を作成し咬み合わせなどを確認します。そして、前後の歯にワイヤー(金属の棒)をつけるためにワイヤーを曲げます。そして右上第二小臼歯につけるフックを作成します。
ワイヤーとフックを曲げたら実際に歯に装着していきます。
接着をよくするためにまずは歯面の汚れを除去しよくクリーニングを行います。汚れが歯面に付着していたらキッチリ接着できません。
クリーニング後はよく乾燥させます。歯面が水分で濡れていると接着阻害になってしまいます。
歯面をキレイにしてよく乾燥させて右上第二小臼歯にフックをつけて、右上犬歯と右上第一大臼歯にはワイヤーを取り付けます。
ワイヤーをつける時に右下の歯がワイヤーに咬み込まないかどうか咬み合わせをよく確認します。
フックとワイヤーが装着できたらフックに矯正用のゴムをつけ、そのゴムをワイヤーに引っ掛けます。
これでこの日は終了です。
後日、右上第二小臼歯の状態を確認していきます。

今回はここまでです。
すべての歯、すべての方にエキストリュージョンは適応ではありませんが、なるべく歯を残すために精進していきます。

今後ともよろしくお願いします

井上貴史

医療法人社団徹心会ハートフル歯科