右上の奥歯の歯肉が腫れた
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回は、右上の奥歯の歯肉が腫れたことを主訴に来院された患者さんのケースについて書きたいと思います。
口腔内診査を行います。
お口の中を確認していきます。
右上の前から5番目（第二小臼歯）と6番目（第一大臼歯）の歯と歯の間の歯肉が腫れています（点線）。健康な歯肉はピンク色をしていて引き締まっています。今回の状態は赤黒い色をしていて腫れています。これが患者さんの主訴である歯肉の腫れだと思います。
触診といって実際に歯肉を触ってみます。歯肉を触ると歯と歯の間から排膿といって膿がでてきました。感染物や細菌などの汚れが溜まっている可能性が高いです。
次はプロービングを行います。デンタルプローブという歯と歯肉の間を測るものさしのような器具です。主に歯周病の治療をする前に歯周組織検査で使用します。デンタルプローブには黒い横線がマーキングしています。
デンタルプローブを歯と歯の間に入れて計測します。4mm以上は歯周病治療が必要とされています。今回は歯肉が腫れていて4mm以上ありました。
プロービング後は歯肉から出血してきました。
歯肉に炎症があると歯肉から出血があります。出血している画像なので白黒の画像にしています。右上第二小臼歯と右上第一大臼歯の歯と歯の間から特に出血が多かったです。
普段の歯磨きの際にも歯肉から血が出る場合は要注意です。
次は咬む面から確認していきます。
以前修復されている金属の周りが欠けています。よく見ると黒色に歯質が透けていることが確認できます。金属のせいもあるかもしれませんが、金属の周りがむし歯になっている可能性が高いと思います。
口腔内診査をした結果はこの歯は歯周病も進行しており、むし歯にもなっています。
次にデンタルX-P写真を患者さんに説明し同意を得て撮影しました。
デンタルX-P写真からは右上第一大臼歯は以前に根管治療が行われています。デンタルX-P写真では、金属や根管治療後に使用するガッタパーチャ（根管充填材）は白く確認できます。
金属の修復物の下の部分に黒く写っている部分は歯周組織の状態がよくないと疑います。
今回は、右上の歯肉の腫れについて書かせて頂きました。
次回は実際の治療になります。
今後ともよろしくお願いします。
井上貴史
