あらゆる歯の色に変化する素材?新製品「オムニクロマ」つかってみた
こんにちは!ハートフル総合歯科グループ 歯科医師 小坂井 竜也です。
今回は、当院に新しく導入されたプラスチック「オムニクロマ」についてお話をします。
この新製品の特徴は何か?というとなんと一種類しかない。
つまり「一色」しかないのです!
いままでの歯科用のプラスチック素材ですと、いろいろな色や濃さが無数にありました!
そして、すべてをそろえることがなかなかできない(特に保険治療において)現状がありました!
いままでのものでも基本的には色は問題なく扱えておりました。
しかし、ホワイトニングをした後や外人さんだった場合、通常良く使われる色のパターンでは
完全に再現できない場合も存在したことは事実です。
それでも違和感無く仕上げる努力をしてきましたが、
どうしても気になる方には、ラミネートベニアのような歯の表面を一層削ってつけ爪のようなセラミックをつけていくことをお勧めする場合が少なからずありました・・・
しかし、この一色のオムニクロマでラミネートベニアほどではないにしろ、むずかしい色の再現性を上げることができるのです!
その理由は、オムニクロマが周りの歯の色を拾って
オムニクロマは、シェードという概念がない、新しいコンセプトのコンポジットレジンです。
オムニクロマが歯質の色調を拾って発色するからなのです!
だから、ホワイトニングをしている方でも自然な色調になります。
これは構造色といってオオムラサキのような蝶々の羽のいろの構造と同じく、CDやシャボン玉、玉虫のような光があたることで微細構造による光の干渉、回折、屈折で特殊な波長を返す現象を言います。
色あせることがないことや見る方向によって色が変わることなどが特徴です。これにより、天然歯の色調を再現するコンポジットレジンです。
注意が必要なのは、虫歯が大きく、歯質が大きく欠損してしまった場合は、周囲の色の反映が難しくなりますので、裏打ちの色があるので、そちらを併用します。
では実際の使用ケースです。
前歯の虫歯を取りきった状態です。
そしてオムニクロマを詰めていきます。
この時点では周囲の色を拾っていないため、かなり白く感じます。
この後、形を整えて光を照射して、研磨をしていきました!
このような形で修正が完了しました!
実際の色味はもう少し馴染んでいると感じます!
このように一色でかなりの範囲の歯に適応できる素晴らしい素材ですので、
今後も使用していこうと思います!
全ては患者さんのために!