こんにちは
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回は、右上の前歯の被せ物の治療で形成といって歯の形を整える前に大切な歯肉圧排糸について書きたいと思います。
前回のまでの内容です→https://heartful-konkan.com/?p=18757&preview=true

前回はセラミック治療を行う前に大切な歯磨きによりバイオフィルム(細菌の塊)の除去について書きました。
今回はセラミッククラウンといって歯の頭(歯冠)の部分が大きくないため全体的に被せていきます。
セラミッククラウンの治療のざっくりした手順は歯の形を整える形成→歯の型を取る印象→セラミックの色(シェード)を確認→歯科技工士さんにセラミッククラウンを作成してもらいます→セラミッククラウン取り付け(セット)→咬み合わせチェック→メインテナンスという流れです。
まずは以前作成した右上切歯の仮歯を外します。
リムーバーという器具を使用します。
仮歯に器具を引っ掛けて外します。

こちらは仮歯を外した状態です。
患者さんは歯磨きを頑張った成果がでています。
歯肉が引き締まり歯肉の色もキレイなピンク色をしています。歯肉に炎症がある場合は歯肉の形態はぶよぶよで歯肉の色は赤色になっています。
この状態であればセラミック用に形成し型取りができると思います。
実際に形成していきます。

歯と歯肉の間に歯肉圧排糸を入れていきます。

歯肉圧排糸を歯の周りをぐるっと一周巻いていきます。

歯肉圧排糸を歯の周りに入れ終わりました。
歯肉に炎症があり腫れていたりするとこの歯肉圧排糸を入れていくと歯肉から出血があります。やはり、セラミック治療前に患者さんが歯磨きをよくしてくれたため、大きな問題にはなりませんでした。

型取りをする時に歯と歯肉の境界を明瞭にさせていので歯肉圧排糸を入れます。
歯と歯肉の境界がはっきりしていないと歯科技工士さんがセラミッククラウンを作成する際にどこまでが歯なのかわかりません。歯科技工士さんによいセラミッククラウンを作成してもらうためには歯肉圧排糸は重要です。

今回はセラミッククラウンの形成前に重要な歯肉圧排糸を入れた内容について書かせて頂きました。
次回は歯肉圧排糸を入れた後の形成についてです。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史

医療法人社団徹心会ハートフル歯科