こんにちは
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回は、右上の前歯の被せ物の治療で形成といって歯の形を整えることについて書きたいと思います。
前回のまでの内容です→https://heartful-konkan.com/?p=18761&preview=true

今回はセラミッククラウン用の形成について書いていきます。
セラミッククラウンを入れる歯を形成する前に歯肉圧排糸を入れていきます。歯肉圧排糸を入れることによって歯と歯肉の境界(マージン)がはっきりします。どこまでが歯なのかを確認して形成していきます。歯肉が歯の上にかぶっている場合など歯肉圧排糸は有効です。歯肉圧排糸を入れているため、形成時に歯肉を傷つける可能性も低くなります。歯肉を傷つけると歯肉から出血します。形成後には印象といって歯の型取りをします。型取りは光学印象といって口腔内スキャナーという専用のカメラを使用する方法と従来の粘土のような印象材(型を取る材料)で型を取る方法があります。どちらの方法でも歯肉から出血が多いとセラミッククラウンを入れる歯の型取りができません。できたとしても出血している状態での印象は精度がよくありません。このことから、セラミック治療をする前に歯肉の状態をよくすることが大切です。そして、形成時は可能な限り歯肉を傷つけないように注意します。

セラミッククラウンを入れる歯の周りに黒い線のようなものがあるのは歯肉圧排糸です。印象後に除去していきます。
歯肉圧排糸を入れているので歯と歯肉のマージンを確認しながら形成していきます。
形成が終わったら型取りを行います。歯肉からの出血は問題なく無事に印象が取れそうです。セラミッククラウンの色(シェード)も患者さんとよく相談していきます。セラミッククラウンの形態や色などの写真や資料を取り歯科技工士さんに伝えます。
この後、歯科技工士さんにセラミッククラウンを作成してもらいます。
今回はセラミッククラウンで修復するための形成について書かせて頂きました。次回は歯科技工士さんが作成してくれたセラミッククラウンの取り付けについてです。

セラミックを使用しての治療は自由診療になります。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史

 

医療法人社団徹心会ハートフル歯科