こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

 

今回のテーマは、「授乳中の歯科治療」です。

むし歯が進行して神経が炎症を起こし、神経治療を行わなければいけない時があります。

その場合によく聞かれるのが、「先生、授乳中ですが麻酔とかお薬は大丈夫でしょうか?」

根管治療の場合、麻酔は必ず行います。

また、投薬は必要に応じてになりますが、抗生剤と痛み止めが処方されることが多いですよね。

今回は、「歯科麻酔」と「抗生剤と痛み止め」についてそれぞれ書いていきたいと思います。

2回に分けて書いていきますね、、、

まず前半は、「歯科麻酔」について書きます。

次回は後半として、「抗生剤と痛み止め」について説明していく予定です。

 

<歯科麻酔>
お子様を出産後、妊娠中には控えていた積極的な歯科治療が可能になります。
これには、麻酔を使う歯科治療も含まれるかと思います。
麻酔に関して言えば、、、
歯科用の局所麻酔薬で授乳期間中の使用が禁忌にされているものはありません。
しかし、授乳中のお母様には歯科治療で行う麻酔や処方されたお薬が赤ちゃんにどのような影響があるのか気になることもあろうかと思います。
今回は、授乳期間における歯科麻酔と薬の服用をどうすればいいのかについて書いていきたいと思います。
一般的に歯科麻酔で使われる麻酔薬は、1本1.8ml入りの歯科用キシロカインカートリッジです。
歯科麻酔薬の場合は使用量が少ないのですが、内服薬を服用された時のようにそのごく一部が母乳の中に移行していきます。
体の中に入った薬剤は、約2時間後をピークに母乳中へわずかに移行します。
しかし、5~6時間経過すると母乳中に移行する薬の量は半分以下にまで急激に減少します。
薬剤濃度がピーク時の母乳100ml中の薬剤移行量は0.1%以下で、これを乳児への薬剤投与量と比較しても1%以下にとどまります。母乳へ移行する薬剤の量はかなり低いと言えます。
赤ちゃんが生後3ヶ月を過ぎると授乳時間の間隔も少し空いて、また体の代謝機能も向上します。
つまり、歯科治療で使用する薬剤が赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性は少なくなると言えます。
しかし、生後3ヶ月までの乳児の場合は授乳間隔が2~3時間おきであり、頻回で代謝機能も未熟なためにこの期間のお母様は妊娠中の服薬と同様な対応が望ましいとされています。
できることならば、「歯科麻酔薬や服用するお薬が母乳に移行して赤ちゃんに影響を与えないようにしたい」とお考えのお母様もいらっしゃると思います。
そのような場合には、歯科医師に授乳期間であることをまずお伝え下さい。
また、現在の赤ちゃんの状態や授乳間隔を参考に歯科医師が治療計画をご提案します。
麻酔や投薬が必要な治療が予定される時には、患者様には事前にその日時をお伝えすることができます。
それによっては、歯科治療の前にはあらかじめ授乳を済ませてからご来院することができます。
お薬の影響が少ない母乳を赤ちゃんに与えていただくことができます。
もし、次の授乳時間まであまり間隔を空けることができず、お薬の影響がご心配な場合には事前に搾乳して次の授乳分を用意していただいておくという方法もあります。搾乳して次回の母乳を用意できない場合には、人工乳で一時的に代用することもできます。
このような対応で麻酔薬や処方されたお薬の影響の残る5~6時間の間、母乳を赤ちゃんに与えることなく授乳していただくことができます。
このように授乳期間であっても、歯科医師とよくご相談の上で患者様の納得される歯科治療を受けていただくことが可能です。授乳期間中は赤ちゃん中心でお母様の歯科治療は後回しになりがちですが、お母様の健康はお子様へのより良いケアにつながります。
当院においても、授乳期のお母様に快適で安心な歯科治療を受けていただけるように
心がけております。
ご不明な点などがございましたら、是非一度ご相談下さい。

今日も一日頑張りましょう!

 

“すべては患者様の笑顔のために”

 

今後ともよろしくお願い致します。

 

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科