接着治療におけるスーパーボンドの有用性②
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
前回からのブログの続きです。
2回目のブログでは、いよいよ本題に入ります。
「スーパーボンドの特性」を中心に書いていきたいと思います。
スーパーボンドは、重合開始剤に「TBB」、接着性モノマーに「4-META」を採用した
アクリルレジン系歯科用接着材です。
歯質への優れた接着性とアクリル系レジンのしなやかで粘り強い硬化体特性をもつ接着材料になります 。
このため 、矯正用ブラケットの接着や修復物の装着、歯周病治療時の暫間固定、外傷による破折歯の接着など
多目的に使用されています。
<スーパーボンドの4大特長>
①優れた接着性
重合開始剤「TBB」は、歯の接着界面から硬化するため、高い接着力と接着耐久性を発揮します。
②衝撃に強い
スーパーボンドの硬化体は柔らかく粘り強いクッションとなり、衝撃を吸収します。
③歯髄の保護
良質な樹脂含浸層が細菌や外部刺激を遮断して歯髄を保護します。
④多目的に使える
矯正・動揺歯固定・修復物の装着・裏層など多目的に使用できます。
スーパーボンドの優れた特性を活かすことで接着治療に最大の力を発揮できる歯科材料となります。
スーパーボンドには様々な特長がありますが、スーパーボンドの重合特性が他の歯科材料とは異なる
メリットとして考えられています。
例えば、一般的な化学重合レジンとは異なり、水分と空気の存在する歯質界面から重合が開始する特性を示します。
これにより乾燥の難しい生活象牙質でも安定した接着性と封鎖性を発揮します。
■一般的な化学重合レジンの場合
水や空気のないレジン中心部から重合が進むので、窩壁部が最も遅く硬化します。
そのため、歯質との間にギャップができやすくなります。
また、水や空気と触れている部分は未重合層として残りやすい傾向にあります。
■スーパーボンドの場合
水分や空気と接触する界面から重合触媒「TBB」が分解して硬化が開始されます。
窩壁部から重合するので高い接着性と封鎖性が得られ、二次う蝕の予防も期待できます。
また、未反応モノマーが極めて少ないのも特徴の一つです。
最後にスーパーボンドの特性は接着治療向きであり、
生体親和性が高いことも高評価であると思います。
優れた性能を持ち合わせた歯科材料と接着治療における条件が
整うことで予後の良い結果につながる可能性も高まりますよね!
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹