こんにちは
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回は、右下の歯が根管治療をしても痛みと違和感が変わらないことを主訴に初診で来院された患者さんのケースについての続きです。
前回のブログです→https://heartful-konkan.com/blog/17866

根管治療を行う前に歯冠部(歯の頭の部分)のむし歯や汚れなどを徹底的に除去します。
なぜなら、歯冠部に感染物があると根管内に歯冠部の感染物を押し込んでしまう可能性があるからです。
そのために根管内のアプローチをする前に必ず歯冠部の汚れを除去します。
この後に根管治療を行っていきます。
根管治療を行う重要なラバーダムといってゴムのマスクをしていきたいです。
歯冠部の歯質が薄くなるため歯に補強をします。
隔壁と言ってコンポジットレジンの歯科用合成樹脂を使用します。
隔壁が出来たらそこにラバーダムを装着していきます。

点線で囲った部分が隔壁です。
歯質が少ない部分にラバーダムをかけると歯質が割れてしまいます。
そのため隔壁は重要です。

こちらの画像は隔壁を作ってラバーダムを装着しました。
すべての方、すべての歯に隔壁を作ってラバーダムかかるわけではありません。
この状態になってはじめて根管治療を行っていきます。

黄色い器具はファイルといいます。
根管内は細いため針のような器具で根管内をキレイにします。
根管内がキレイになるまで拡大、洗浄を繰り返します。
この作業が終わったら根管治療の1回目が終了です。
痛みと違和感がある歯なので仮の蓋を入れて経過観察します。
次回、症状が改善したら根管治療が終わります。
2回目の来院時には症状が改善されていました。
根管内からの出血などのなかったため根管充填という最終的なお薬をつめる根管充填を行うことにしました。

こちらは根管充填を行っている画像です。
根管内にガッとパーチャという根管充填材をつめていきます。
根管内とガッタパーチャの間に隙間がないように圧接します。
根管充填を行った後にX-P写真(レントゲン写真)を撮影します。
X-P写真で根管充填材のガッタパーチャと根管内の状態を確認します。

こちらの画像はガッタパーチャの過不足がないかX-P写真を撮影しました。
これで根管治療が終わりました。
これで症状など問題がなければかぶせ物をしていきたいと思います。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

井上貴史

医療法人社団徹心会ハートフル歯科