歯を抜くと言われてしまった!被せ物が取れる、虫歯が大きい歯・・・救う方法はあるのか!? ~まとめ~
こんにちは!ハートフル総合歯科グループ 歯科医師 小坂井 竜也です。
今回は、長きにわたってお話ししてきた、MTM、APFのお話に総まとめと、私が一番みなさんにお伝えしたいことをお話しします。
前回までのおさらいです。
①歯肉にうまってしまった歯は、基本的には保存不可能
②歯肉の上の歯質をフェルールといい、75%以上の存在とある程度の厚みがあれば保存可能になります。
③歯根の長さがあれば(7㎜以上)、歯肉に埋まってしまった歯でも保存するための治療方法はある。
④その方法は、MTM、APF、外科的挺出術 になります。
⑤MTMはフェルールの無い歯にフックをつけて、隣の歯にワイヤーを装着して、ゴム等でゆっくり引っ張り上げる治療です。
⑥利点は、前歯や奥歯でも治療可能なこと 侵襲性が低いこと
欠点は、治療箇所での食事制限 時間がかかること(1.5ヶ月から3ヶ月) 審美性の一時的悪化 ワイヤーの異物感があります。
⑦APFは、埋まった歯の周りの歯肉と骨のトリミングを行い、歯根側に歯肉を下げる治療です。
⑧利点は、治療期間が短いこと 侵襲性が比較的少ないこと
欠点は、適応範囲が限られること(前歯や深く埋まりすぎたケース)外科処置なので、基礎疾患のある患者には治療が向かないことがあります。
⑨外科的挺出に関しては、意図的に歯を抜いて、フェルールが獲得できる位置で戻していく方法です。
そのまま戻すより、回転して戻してフェルールを獲得する場合もあります。
⑩利点は治療期間が短く 適応範囲が広いことです
⑪欠点は一度完全に歯を抜くので、生着しない場合もあること、外科的処置なので基礎疾患のある方にはむかない場合があることが挙げられます。
⑫そのなかでベストな治療方法はMTMとAPFの組み合わせとなります。
次は、これらの治療が適応にならない場合も紹介します。
①根っこが割れてしまっている
②残った根っこが短いケース(7mm以下)
③根尖病巣が大きく、症状がある場合
は基本的に歯を残す治療の適応外になります。
そして最後に一番お伝えしたいことがあります!
一番やってはいけないこと、それは
「被せ物が取れてしまった歯を放置してしまう」ことです!
これをしてしまうと、虫歯が進行してしまったり、病巣が悪化してしまい、
救える歯も救えなくなってしまうのです・・・
だから、被せ物が取れてしまったら、なるべくはやめに歯科医院へ相談して頂きたいのです。
最後になります。
このような状態の悪い歯の治療には、どうしても延命の側面が大きいことを理解していただければ、と思います。
診査診断に基づき条件が当てはまるケースが適応になりますので、被せ物が取れてお困りの際はお早めに歯科医院にご相談下さい!
すべては、患者さんのために・・・