歯科金属アレルギー②
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
前回からの続きです。
前回までのお話は、、、
歯科金属アレルギーは口腔内における
対象となる金属を除去すれば、
全身の皮膚症状は完治するかもしれないが
全ての原因がそれだけではないかもしれない…
そんなお話でした。
金属アレルギーの診断は奥深く、難しいのです。
以前に、患者様より金属アレルギーなので
口腔内の金属を全て除去してセラミック治療を
受けたいということで治療したことがあります。
ところが治療が終わって、しばらく時間が
経過してもその患者様の皮膚症状は完治しませんでした。
私の知識不足もあり、患者様の言われるがままに
セラミック治療を行なってしまったわけです。
もちろん、むし歯リスクなどを考えれば
セラミック治療はとても良い治療ですから、
それ自体が否定されるわけではないですし、
実際に患者様には白くてキレイになったと喜んでいただきました。
しかし、実際には最初に訴えられた主訴の解決には至らなかったわけです…
では、他に考えられる原因はあるのか??
歯科が関係してくる皮膚疾患には、
金属アレルギーだけではなく、、、
歯性病巣感染症と呼ばれる歯周病や根尖病変などにより二次的に皮膚症状が現れることもあると言われているのです。
重度歯周病の歯を抜歯した場合や
根の先における根尖病変を治療した場合に
皮膚症状が軽快したという報告もあるそうです。
ここで病巣感染について調べてみました。
「身体のどこかに限局した慢性感染病巣(原病巣)があって、
それ自体は無症状か軽微な症状を呈するに過ぎないが、
しかしこれが原因になって原病巣とは直接関係のない遠隔の
諸臓器に反応性の器質的あるいは機能性の障害を起こす病像、
いわゆる二次疾患をさす」と病巣感染は定義されています。
少し難しくなっていますので、、、
簡単に言えば、どこかに感染巣があって、
それが元で感染巣とは関係がないところに
病気が生じるということになります。
このようにも言われています。
歯周病と糖尿病の関係に置き換えることができます。
よく、このような話をお聞きになりませんか?
歯周病によって全く関係ないと思われている
糖尿病が悪化するという話を…
これ、同じですよね。
結局、治療方法としてはまとめますと、
金属アレルギーのアプローチとしては、
「原因除去治療」と「病巣感染の除去治療」
この二つになるということです。
但し、どちらにも該当しないということも考えられますから、
要注意です!
金属アレルギーの話は一回、二回で書ききれないため、
機会があれば今後も引き続き書かせていただきますので、
もしよろしければお付き合いいただければ幸いです。
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹