こんにちは!ハートフル総合歯科グループ 歯科医師 小坂井竜也です。

ハートフル歯科では8月14日に日本大学松戸歯学部麻酔科所属 下坂 典立先生をお招きし、臨床管理施設としての、全身管理研修を行いました!

スタッフ全員で研修をうけられたら一番良いのですが、昨今のコロナ禍の影響により、密を避ける必要があるので

歯科医師6名で研修を行いました。

内容は、高血圧の患者さんへの注意点、アナフィラキシーショックについて、救急蘇生法についての実習を行いました。

どれも、歯科診療中に起こりうる、患者さんの命にかかわる重要な内容です。

講師の下坂先生のお話もとても分かりやすく、学生時代にこういう授業が受けられたらなぁと思うくらいでした(笑)

せっかく、研修をうけることができたので、こののブログにて研修内容をまとめさせていただきます。

基礎疾患をお持ちの患者さんや、アレルギー体質の患者さん、一般の方でももちろん実践できる救急蘇生法についておはなしします。もちろん、歯科医療従事者にも見てもらいたい内容です。

今回は、高血圧の方についてお話します!

まず高血圧の定義のお話です。

収縮期血圧140mmHg拡張期血圧90mmHg以上 平均血圧が150以上ならば高血圧が疑われます。

65歳以上の方の50パーセント以上の方が高血圧と診断されます。

原因は実は90パーセントははっきりしないのですが、食塩の過剰摂取や、肥満、ストレス、加齢等の多因子がかかわっているといわれています。

高血圧の何が問題かというと、全身の〔血管の劣化〕を引き起こしてしまうことです!

これがおこると、心臓、脳血管、腎臓、網膜に影響が出やすく、特に歯科治療中で気をつけるべきは

脳出血のリスクに注意が必要なのです!

次は高血圧の治療方法について知る必要があります。

第1は食事療法です。塩分量や有酸素運動等が挙げられますが、現実的に完全な実行が出来る人は少ないのが現状です。だから大半の方が薬物療法を併用しているのです。

第2が薬物療法です!これが歯科治療においてもっともチェックすべき項目です!

なぜなら、歯科の麻酔薬に含まれるアドレナリンがこれらのお薬と併用に注意が必要なのです。

代表的な高血圧の治療薬は、

血管拡張薬:Ca拮抗薬物、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)

交感神経抑制薬:α遮断薬、β遮断薬

利尿薬(これ処方されていると重症)

が挙げられます。

2種類以上服用している方は特に歯科治療時の麻酔に注意が必要となります。

作用機序は割愛しますので、降圧剤服用患者の歯科治療上の注意点を挙げていきます。

①アポイントは薬の効きがよい午前中がお勧め

②血圧の調整反応が鈍くなっているので起立性低血圧に注意。つまり、いきなりユニットをおこさないこと。

③血管収縮薬(アドレナリン)に注意!が挙げられます。

臨床上で一番多く使用されるのが③なので、次回はこの項目について詳しく説明していきます。

その他に。異常な高血圧が治療中に発生した場合の対応、歯科治療において高血圧患者への対応のまとめについてお話していきます。

すべては患者さんのために!

医療法人社団徹心会ハートフル歯科