こんにちは!ハートフル歯科 歯科医師 小坂井 竜也です!

今回は、親知らずの痛みのせいで夜も眠れず、大変困っていた患者さんのお話です。

この回では「なぜ痛みが発生したのか?」ということと、安心・安全に親知らずを抜いていく診断方法をお話ししていきます。

右下の親知らずに大きな穴があいており虫歯になっています。

とても痛そうですね・・・

次にレントゲンを確認していきます。

左右逆なので左側に右の歯があります。

右の奥の歯が横に生えており、かなりむし歯が進行しているようです。

拡大してみると、歯の神経にむし歯が到達していることが考えられます。

このレントゲンを見ただけでも激痛を想できます・・・

じつは、2年前に別の個所の治療で、この患者さんは来院されていたのですが

治療が終わった後、今回痛みが出たこの親知らずを、そろそろ抜きましょうか!という時に来院が途絶えてしまった方でした。

たった二年間でここまで虫歯は広がってしまうのか!と正直驚きを隠せませんでした!

このように、横に生えてしまっている親知らずは、どうしても磨けないので

①歯肉が腫れやすい

②親知らずが虫歯になる

③親知らずの隣の歯が虫歯になる

というリスクがあります。

このリスクが高いか低いか、または抜いたほうが良いかどうかは、その生え方や口腔内の状態によっても判断が変わります。

また、ほかの歯がダメになってしまった時の移植のドナー歯として使えるケースもあるため

一度、気になる方は、歯科医院での検診を強くお勧めします!

次は、三次元的に診断するためCTを撮影しました!

そこで何を見るというと、まず親知らずの生えている方向、角度、根っこのかたち、根っこの本数などがあげられます。

ここでの診断が非常に大切で、あらかじめこの情報があるかないかで、治療前のイメージの質が圧倒的に上がります。

もう一つは、下歯槽管という下の顎に走行している太い神経と血管の管があります。

その管が親知らずの根っこの先とくっついている場合が少なくありません。

その状態で無理くり歯を抜いていくと、最悪、神経の麻痺等につながることもあります。

これらの理由から、個人的にはCTは親知らずの抜歯に絶対必要な要件となります。

また、根っこのさきが神経に引っかかっていた場合は2回法といって歯の頭を除去して、

自然に根っこがある程度でてくるのをまって抜いていく処置もあるのです。

 

今回は診査診断の結果、根っこの形も一つの根っことして曲がっている様子もなく、下歯槽管との距離も全く問題ありませんでした。

 

今回のお話はここまでになります。

次回は実際の処置についてのお話になります。

 

全ては、患者さんのために!

 

 

 

 

医療法人社団徹心会ハートフル歯科