マイクロクラックによるむし歯③
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
歯は特別な臓器ですよね。やはり、長生きする秘訣は食事をしっかりとれることに尽きるのではないでしょうか?
歯は他の組織と異なり、再生することができません。治療を繰り返す度に失われていきますので、何度も治療に耐えることは難しいと言わざるを得ません。痛みという自覚症状を感じるまでに時間がかかるというところも虫歯の発見が遅れる一つの原因かもしれません。
では、どのように対応していくべきでしょうか?
定期的なメインテナンスによる口腔管理の徹底予防に関する指導などが重要であり、
また私たち歯科医師からは治療を終えた歯に対してむし歯の再発がないようなマイクロスコープやエビデンスに基づいた術式など配慮された治療を受けることが望ましいと考えております。
マイクロクラックの話からむし歯について書いてきましたが、ここで一度歯の構造についておさらいしてみましょう!
エナメル質は生体で最も硬い硬組織で、細菌からの感染・物理的刺激・化学的な刺激、噛む力などの外的な刺激に対して高い抵抗力を持った構造をしていると言われています。
そして、エナメル質の次層にあたる象牙質やさらにその下の歯髄は内臓と同じ細胞から分化した組織であるため、「身体の内側の組織」と考えていいと思います。
よく私は患者様にエナメル質を服、象牙質を肌というような感じで説明することがあります。もしも、むし歯によってエナメル質が損傷を受けて、象牙質が露出するとどうなると思いますか?象牙質が露出した状態は、服が破れて肌が露出したの同じと考えられます。冷たいものや熱いものがしみたりなど痛みの症状は、様々な刺激が肌から直接歯髄(神経)に伝わるために起こるわけです。今回のようにマイクロクラックからむし歯が進行して、歯髄に細菌感染を起こすと炎症となり、激しい痛みに襲われて歯髄を取る治療(根管治療)が必要になってきますよね。神経がなくなった歯は適切な根管治療が施されないと、再び再発のリスクに悩まされ、残存歯質の低下と共に最悪は歯の寿命まで失ってしまうこともあります。
このようにブログを通して発信していることで少しでも正しい知識と適切な治療を受けていただきたいからです。保険治療には時間という概念がないため、限界があるということを正しく理解していただけると助かります(๑>◡<๑)
繰り返しになりますが、従来のむし歯治療においてあまり考慮されていなかった「マイクロクラック」についても、なかなか肉眼では難しいわけです。そのために、ハートフル歯科医院では衛生士さんの施術ユニットにもマイクロスコープを導入しております。修復物と歯との境目が可能な限り小さくなるようにCAD/CAMを利用したデジタル精密治療を行うようにもしています。修復材料は経年劣化が少なく、生体に最も近い材料を用いることも大切なことですよね。それは、銀歯のような金属にはできないと言えます。もちろん、保険診療を否定しているわけではありません。私たちには患者様にベストな選択をしていただくための説明義務があるとハートフル歯科医院では考えています。
最後に、「マイクロクラックによるむし歯①」でご紹介したむし歯治療の術後です。
セラミックによる即日治療で無事に終えることができました(๑>◡<๑)
歯に関して、何かお困りの方はご連絡をお待ちしております。
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹