マイクロクラックによるむし歯②
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
マイクロクラックと呼ばれるヒビの幅が10~50μmで、虫歯菌(ミュータンス菌)の大きさが1μmであるとの報告を聞いたことがあります。マイクロクラックから虫歯菌が感染する可能性は十分あると考えられます。
つまり、むし歯が発生する原因には様々な要因が絡み合っているということが分かると同時に
マイクロクラックというむし歯が感染する入り口があることも分かりました。
私が患者様の口腔内を診ているだけでも、マイクロクラックはよく見かけます。
患者様にも自覚症状がなければなかなかむし歯と認識することは難しいわけで、私たちでもその全てを見つけることは難しく、レントゲンでも分かりません。それでも、少しでも早期発見を心がけるべく、メインテナンスや定期的な口腔内全体のレントゲンなどで見落としがないように努めております。
よくこのような言葉を患者様から聞くことがあります。
「過去に詰め物や被せ物などで治療済みだから問題ないです。」
ところが、銀歯と呼ばれる金属の詰め物や被せ物が脱離して、その歯牙を見るとむし歯になっていることが大半であることは紛れもない事実であるわけです。治療した歯が再度虫歯になることを「2次う蝕」と呼びます。う蝕とは専門用語で、むし歯のことを言います。
マイクロスコープのような歯科用顕微鏡で口腔内の銀歯を観察すると、銀歯と歯との境目に広範囲の隙間があり、そこに多量の汚れである歯垢などが付着しているのが見えます。
クラウンと呼ばれる全体を被覆するものでは、銀歯と歯との境目が磨きにくい歯茎との境目付近に設定されていることからも、修復物と歯の境目に歯垢が溜まりやすくなることが分かります。小さな隙間があれば、細菌の侵入なんてあっという間ですよね( ´Д`)y━・~~
10年後には、保険治療で行われた修復物の半分近くは治療を必要とする状態になってしまうと言われています。ブリッジの10年生存率は30%ぐらいで特に低い数値であるとも聞いたことがあります。私は個人的には、銀歯ではなくセラミック、ブリッジではなくインプラントを推奨しています。そちらの方がメリットが大きいと感じているからです。
このむし歯による、とても嫌な悪魔的な負のサイクルを止めるために皆様のお力になりたいとハートフル歯科医院では考えております。
次回は、むし歯の話の続きと負のサイクルを止めるために私たちが取り組んでいることを書いていきたいと思います。
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹