こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

前回からはエクストリュージョン症例集2021の第3弾としてお話させていただいておりますが、

前回は矯正経過編と題してエクストリュージョンにおける歯根の移動がお分かりいただけたかと思います。

前回のブログはこちら

エクストリュージョン症例集2021③ 〜矯正経過編〜

 

今回は手術編です。

前回までに矯正処置が終了した状態がこちらです。

 

 

初回の状態と比べてみましょう。

 

少し見えづらいかもしれませんが、

歯根の位置、歯茎の位置が変わっているのがわかると思います。

このままの状態では

・歯茎の位置が合っていないことによる審美的な問題

・全周の歯質を確保しなければ被せられない構造上の問題

・矯正後の歯根の後戻りの問題

が解決していません。

 

エクストリュージョン後の手術「歯肉整形術」は以上の問題点を解決するために行います。

手術とは言いますが、実際にカットする部分は3〜4mmといったところでしょうか。

 

この写真の青い線の部分です。

細かくいえば、歯茎を剥離して中の歯肉繊維を綺麗にすることも含まれますが、

患者さんにとって切らなければならない量としては歯の周りの歯茎ということは変わりありません。

よく電気メスで歯茎をカットして被せ物に移行するケースもありますが、

被せ物を入れるための構造上の問題や歯茎のラインの不一致は解決するのですが、

矯正後の後戻りについては解消しないため、せっかく引っ張った歯が元に戻ってしまう可能性があります。

 

術後の痛みもほとんどないため、エクストリュージョン(歯根挺出)後に行っております。

実際に歯肉整形術を行った状態がこちら。

 

 

仮歯を入れるとこんな感じです。

 

 

歯肉整形術をしたとしても、ある程度歯茎は元に戻ろうとするので、

手術当日に仮歯を作り、仮歯に合わせて歯茎が整うようにしています。

この状態で2週間ほど経過をみます。

 

術後1週間は患部の歯ブラシを控えてもらっています。

縫合した糸がほつれないように、傷口が開かないようにするためです。

 

翌週消毒時に傷口のチェックと歯ブラシの再開をしてもらっています。

 

術後歯茎の整いを待った後に歯根に残った矯正用のフックを除去し、土台を入れ替えます。

 

次回は仮歯編と題し、歯茎を整った後の治療の流れをお話します。

 

あなたの歯が一本でも多く残せますように・・・。

 

医療法人社団徹心会ハートフル歯科