こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

前回からはエクストリュージョン症例集2021の第2弾としてお話させていただいておりますが、

前回は手術編と題してエクストリュージョン後の「歯肉整形術」についてお話しました。

前回のブログはこちら

エクストリュージョン症例集2021② 〜手術編〜

 

今回は仮歯編です。

歯肉整形術により、歯茎のラインをできるだけ揃え、矯正による後戻りを防止した後は、

歯茎の整いを待って仮歯を外します。

 

手術から2週間後、縫合した糸をとった状態がこちらです。

 

 

周りの歯茎ももう腫れっぽさや出血っぽさは無くなってきています。

仮歯の中には矯正用に取り付けたフックがまだ残っているため、

歯茎の整いを待って土台に入れ替えていきます。

 

再度仮歯を戻したら、歯根の揺れを含めた回復を待って最終的な被せ物へ移行していきます。

歯根の揺れは矯正直後ということもあり患者様ご本人も感じておられます。

矯正のような外的な力を歯にかける場合、歯根の揺れについては見られることがほとんどですが、

仮歯で経過を見ていくなかで落ちつていくことがほとんどです。

 

もちろんエクストリュージョンのし過ぎは良くありません。

いくらでも引っ張れるわけではないのです。

 

当院では引っ張った後の歯根の長さを想定し、最終的な歯根の長さは7mmを限度としております。

もちろん対合歯(噛み合う相手の歯)との接触関係や残存する歯の数によっては、歯根にかかる負担が

変わるため、全て一律ということではありません。

 

限度を超えたエクストリュージョンや、対合歯や残存歯数を無視した計画では、引っ張ったことで

歯根が短くなるために、ずっと揺れが残ったり、歯根破折や、被せ物の脱離を招いてしまうことがあるために、慎重に診断しなくてはなりません。

 

もちろんリスクとしても患者さんと共有しなくてはなりません。

 

しかし、引っ張ることで残せないとされてきた歯を保存できるようになることもこれまた事実です。

 

エクストリュージョンや歯牙移植、接着治療など私の担当させていただいている治療はあくまで「保存的治療」。

なんでもない健康な歯であれば、するべき治療ではないのです。

しかしながら、保存ができないと診断され困っている患者さんがいる。

そういったなかで治療法を調べ、学び、若輩ながら治療をさせていただいております。

 

治療をしっかり進めていくなかではそういったことも患者さんと共有しながら治療を行なっております。

 

1日でも長く患者さんの歯が残ってほしい。

その思いで日々診療を行なっております。

 

次回はいよいよ最終的は被せ物へと移行します。

 

あなたの歯が一本でも多く残せますように・・・。

医療法人社団徹心会ハートフル歯科