こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

前回から以前お話した保存的治療法の中の一つであるエクストリュージョン(歯根挺出術)について診断編、手術編、治療編に分けてお話させていただいております。

 

以前の保存的治療についてのブログはこちら

「保存的治療」とは

前回のエクストリュージョン(歯根挺出術)の症例①診断編のブログはこちら

エクストリュージョン(歯根挺出術)の症例①診断編

 

今回は手術編について。

前回、フェルールが足りない歯に対してエクストリュージョン(歯根挺出)のために矯正器具を取り付けました。

そこから約4週間経ってご来院いただいた状態がこちら。

歯肉の縁を見ると少し歯質が見えてきたように感じます。

ゴムを見ると4週間頑張って引っ張っただけあって変色していますね。ゴムの張力も落ちてきていることが予想されます。ワイヤーとフックの距離を見るともう少し引っ張ったほうがよさそうなため、もう一度ゴムを結び直して再度3〜4週間置きます。

ゴム交換の日は患部のクリーニングも行います。矯正器具がついているとフロスや歯間ブラシが通らずケアが難しくなるので、可能な限りの歯ブラシだけにしていただき、ゴム交換の際に汚れを取りながら施術をさせていただいております。

さらに約4週間後の写真がこちら

ワイヤーとフックがかなり近付いたのが分かります。それだけ歯根が挺出してきたということです。

エクストリュージョンをするとき気をつけなければいけないことがあります。

それは矯正的に歯根を引っ張ると周りの歯肉も一緒に引っ張ってきてしまうということです。

写真のように歯肉のラインが歯根とともに上に上がっているのが分かります。

このまま被せ物に進めてしまっては歯肉にテンションがかかっているため、元に戻ろうとする力によって後戻りを起こしてしまう可能性があります。

出血の出るシーンのため写真は割愛させていただきますが、術後の写真がこちら。

当日歯肉が戻らないように即日仮歯まで入れて終了します。

歯肉の治癒をみて最終的な被せ物に移行していきますが、ここまでが手術編になります。

 

エクストリュージョンについて少しイメージが湧きましたでしょうか?

手術編といっても大きな外科処置ではなく、歯肉を整える程度のものなので個人差はありますが、さほど腫れたりする治療ではありません。

それでは次回は治療編になります。

医療法人社団徹心会ハートフル歯科