こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

今回は、前回からのブログの続きになります。

コロナルリーケージが生じる機会を時期により分類してみましょう。

修復前と修復処置後の2つに分けて考えていきます。

中間の土台を作る支台築造と呼ばれる処置においても、コロナルリーケージが生じる可能性がありますが、今回は大事な修復前と修復後で考えていきたいと思います。

①修復前

最終修復前の暫間修復の状態は、漏洩が生じやすいです。

なぜならば、暫間的ですから一時的なものなので、しっかり接着しているわけではなく仮着状態であるということはご理解いただけるかと思います。

根管充填後に速やかに修復が行われた場合と暫間修復のままの場合では、後者の方が感染のリスクが高まります。根尖部の病変の変化などの経過を観察する必要があるケースもありますが、仮封の漏洩などによる根管 の感染を考慮すれば、なるべく早期に最終修復を施すことが望ましいと言えます。

私は最終的な被せ物まで装着して経過観察しています。

②修復後

修復処置後の漏洩においては、二次的なむし歯による感染 が考えられます。

修復歯の歯冠部あるいは歯頚部にむし歯が生じると、象牙細管を通じて歯髄腔に感染が到達します。また、ポスト(土台の足部分)周囲のセメントに不足や崩壊がある場合やポストの先端とガッタパーチャの間に空洞がある場合は、感染源が貯留する空間になります。やがて根管充填部を通じた漏洩が生じます。従って、根管充填時に根尖付近に死腔を作 ることは当然避けなければなりません。同様に、ポストの合着においても根管内にセメントが行き渡らない空洞を作ることは避けなければならないと言えます。

皆様、細菌のサイズを知っていますか?

少しでも隙間があれば細菌は侵入します。

細菌はミクロサイズですから、細菌の大きさは1 μm前後です。

μmは1mmの千分の1の大きさです。

この細菌という目に見えない敵との戦いにおいて、少しでもスキのない状態をつくり、感染のリスクを減らす努力をコツコツと続けていくのみです。

私の大好きな漫画、「キングダム」に登場する秦の始皇帝が築いた万里の長城のように…

今日も一日頑張りましょう!

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科