こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

今回は、「コロナルリーケージ(歯冠側漏洩)」をテーマに書きたいと思います。

なかなか聞き慣れない言葉であると思います。

根管治療が終わり、良好に根管充填まで終了したとします。

しかし、根管充填が良好であったとしても歯冠側から根管内に細菌の漏洩が生じると、修復前には認めなかった根尖性歯周炎が発症することがあります。

これらのことをコロナルリーケージと言います。

銀歯の被せ物と歯質の間に隙間ができています。

被せ物の中にはむし歯が広がっていました。

コロナルリーケージは、再治療の原因の一つと考えられています。

最終的な被せ物までの仮封の期間や支台築造(土台をつくること)までの根管内の汚染や修復後の二次的なむし歯がコロナルリーケージに影響を及ぼすと言われております。

根管充填がしっかり行われていれば、根尖へ感染が波及しないわけではなく、修復後にも根尖に感染が生じる可能性があるというわけです。

歯内療法においては当然のことですが、修復処置においても根管の感染を意識した処置が必須となります。

ちょ、ちょっと待ってー!!

「根管に緊密に充填しているはずなのに、なぜ細菌が侵入してしまうのですか?」

そのような疑問が生じますよね…

それは、象牙質に関係しています。根管壁の象牙質は平滑ではなく,かつ材質的に軟らかいと言われています。ガッタパーチャとシーラーを用いて根管充填を行ったとしても、その界面は密着しているレベルで封鎖性における信頼性にはまだまだ足りないわけです。

また,根管系にはイスムスやフィン、側枝など清掃が困難で根管充填材も入っていきにくい

部位が存在します。そのため、歯冠側に細菌などの感染源や唾液などが侵入すると、根管充填を行っても根管を通じて根尖部から周囲組織に感染物質の漏洩が生じます。

これが歯冠側からの漏洩、コロナルリーケージ(coronal leakage)なのです。

つまり、根管治療だけではなく被せ物の質や接着力という側面が問われてくるというわけです♪( ´▽`)

今回はここまでになります。

続きは次回のブログにて、もう少し見方を変えてお話していきたいと思います。

今日も一日頑張りましょう!

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科