こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

今回のお題は、「定期検診で歯の根元に膿の袋を見つけたら」になります。

症例です。

49才 女性

右下6番

<主訴>

10年以上前に根管治療を行った。最近になって、歯肉におできのようなものができて膿が出てきた。痛みなどはない。

<現病歴>

・歯髄の診査

冷水痛(-)、温熱痛(-)、電気診(-)

・根尖部歯周組織の診査

打診(±)、根尖部圧痛(±)

sinus tract(+)

プロービングdepth(3mm)

<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):

Previously treated(既根管治療済み歯)

・根尖歯周組織の状態(Apical):

Symptomatic apical periodontitis(症候性根尖性歯周炎)

<治療方針>
根管治療

術前における口腔内写真です。

歯肉におできのようなものが見られます。sinus tract(瘻孔)ですね!

銀歯の被せ物を見てみると、すり減りが激しく金属部分がなくなり、中が見えてます。

10年以上前に治療したとお聞きしていたので、経年劣化を感じますね( ´Д`)y━・~~

術前レントゲン写真です。

右下6番遠心根において根尖病変を認めます。これが原因でsinus tractができていると考えられます。

銀歯の被せ物と土台を除去してみました。ガッタパーチャと呼ばれる根管充填材が見えてきましたね。

上部にある充填材は機械的に大きく除去していきます。根管の形態を損なうような除去は、形態を逸脱したり破壊することになります。これが一番根管治療の成功率を下げてしまうと言われています。再根管治療において、根管系の本来の形態が保たれているかどうかはさらなる影響因子になってしまいます。根管のトランスポーテーションや穿孔、ストリッ ピングパーフォレーション、内部吸収など根管系に問題が生じていて根尖にレントゲン透過像があった再根管治療の症例では、あまり良くない成功率であったという報告もあります。これは一番最初に教えていただいたことですが、感染した歯髄を取り除く初回の根管治療におい て、根管系を破壊することなく適切に治療が行われたかということが、その後の予後や再根管治療の成功率に影響するということになります。

今回はここまでになります。

次回は、この後の根管の拡大清掃・消毒などにおける治療経過をご報告させていただければと思います。

お疲れ様でした♪(´ε` )

今日も一日頑張りましょう!

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科