根尖病変について
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回のテーマは、「根尖病変について」です。
歯科医院でレントゲン写真を見ると、根の先に大きな黒い影が写っていることがあります。
このような画像を見たことがありますでしょうか?
これは、「根尖病変」と言います。
根尖病変(Periapical lesion)とは、生活力を失った歯牙の根管内には種々な有害物質(アンモニア、硫 化水素、有機酸、メタン、炭酸ガス、脂肪酸、グリセロール、細菌と細菌由来の異種蛋白、外毒素や内毒素など)が存在し、その一部が根尖孔外に流出することによって根尖歯周組織内に二次的な変化である抗原抗体反応が現れます。この状態を根尖病変と言います。
それでは、どのような状態がExcellence(良好な症例)なのでしょうか?
根尖病変のある歯牙に根管治療を行った場合、根管充填(根尖孔の閉鎖)が正しく行われていれば、患者自身が持っている治癒力(免疫力)によって、その病変は大きさとは関係なく、いずれ(1〜2年以内)消滅すると言われています。もちろん、場合によってはNon-Excellence(良好でない症例)もあります。術者が最善と思って行った根管治療であっても数ヶ月後、もしくは数年後に予期していなかった根尖病変が根尖部の歯周組織内にできてしまっていることがあります。治癒の悪い症例は、必要に応じて抜歯の選択をしなければいけないこともあることをご理解下さい。
症例です。
54才 女性
右下1番
当院には、右下1番において歯肉の腫れと排膿を訴え来院されました。
術前レントゲン写真です。
レントゲン画像を確認したところ、右下1番根尖部に大きな病変を認めました。
右下1番感染根管治療を行い、治療開始2回目には歯肉からの排膿はなくなっていました。
レントゲン上にて根の長さの確認を行なっています。
根管充填後です。
根管の清掃・消毒を行い、3回目には根管充填まで終了しました。
隣在歯の右下2番も根管充填不十分な箇所が認められたため、再根管治療を行う予定です。
現在、右下1番の根尖病変の予後を経過観察しております
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹