こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

今回のテーマは、「歯髄炎」です。

「痛くて眠れない」「ズキズキする」「冷たいものがしみて痛い」

このような症状を経験したことはありますか?

歯科を受診する理由の上位にある主訴の一つですね。

これらの症状は神経が炎症を起こしている可能性があります。

神経の炎症=歯髄炎と言います。

それでは歯髄炎とは、一体どのような病気なのでしょうか?

症例です。

62才 女性

右上7番

他院で入れたセラミックのかぶせ物が冷たいものにしみて痛いということで来院されました。

術前レントゲン写真です。

診断の結果、歯髄炎と言われる神経の炎症を起こしていることが分かりました。

歯髄炎は、可逆性歯髄炎と不可逆性歯髄炎に大きく分けられます。

可逆性歯髄炎は、歯髄を除去しなくてもまだ回復する余地のある状態のことです。

歯髄炎のうち「歯髄充血」という段階で、炎症によって歯髄内の毛細血管が拡張しています。

症状としては冷たいものがしみるくらいで、何もしなければ痛みを感じることは少ない初期の状態です。むし歯を放置すると、原因細菌の作る毒素や細菌自体が歯の内部にある神経まで到達し、歯髄炎を引き起こします。可逆性歯髄炎が治らないと、不可逆性歯髄炎に移行します。

痛みがはっきりと現れて、何もしていなくても痛みを感じます。歯髄を取り除かないと治らない状態です。歯髄炎を放置すると、歯髄が死んで「歯髄壊死」の状態になります。知覚を司る神経が死んでしまうことで全ての痛みが鎮まり、一見治ったかのように感じる状態です。

一度活性が失われた歯髄は、回復や再生しません。そのため、痛みなどの症状はありません。

しかし、感染した細菌はそのまま歯髄や歯の内部に停滞し、病状はさらに進行します。

歯髄壊死の後は、歯髄が腐敗する「歯髄壊疽(えそ)」の状態になります。

むし歯による歯の欠損が大きい場合には、強い腐敗臭や口臭として現れます。

また、歯の色が白色から黄色や灰色に変化します。その後、根尖性歯周炎に移行していきます。

早期対応が非常に重要ですね♪( ´▽`)

神経治療をなかなか開始せず、長引かせた場合その後の根管治療では治癒が遅く予後が悪い傾向にあると私は臨床経験上感じることがあります。正確な診断、適切な早期治療(ラバーダム防湿やマイクロスコープなど)が結果として歯を残すことにつながると、ハートフル歯科では考えております。

次回は、症例解説していきます。

今日も一日頑張りましょう!

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科