右上6番感染根管治療-根の中に穴があいている?MTAで修復しましょう!!①-
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
49才 男性
右上6番 感染根管治療
<主訴>
初診時の主訴が右上6番の咬合痛であり、
治療はしばらく他の先生が診ていましたが、その後治療中の歯とは別部位の
右下7番の歯髄壊死により激しい痛みを伴い、急患で来院されました。
右下7番の根管治療から患者様の御希望もあり、私が担当することになりました。
しばらくして根管充填、被せ物の治療まで無事終了したため、
治療途中の右上6番の続きに着手することになりました。
現在、患歯において痛みはなく症状も落ち着いているそうです。
<現病歴>
・歯髄の診査
冷水痛(-)、温熱痛(-)、電気診(-)
・根尖部歯周組織の診査
打診(±)、根尖部圧痛(±)
プロービングdepth(3mm)
<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):
Previously treated
(既根管治療歯)
・根尖歯周組織の状態(Apical):
Symptomatic apical periodontitis
(症候性根尖性歯周炎)
<治療方針>
根管治療
引き継ぎの治療になりますが、
早速、根管治療を開始してみますと、、、
MB(近心頬側)根管とP(口蓋)根管は閉鎖根管でした。
問題はDB(遠心頬側)根管でした、、、
仮封の水硬性セメントを外して、根管内をマイクロスコープにより覗いてみると
ぎゃーっ!
何か赤いものがレンズを通して目に飛び込んでくるではないですか、、
DB根管内から出血が見られます。
これが元々の痛みの原因だったのかもしれません。
拡大画像です。
根管内部に穴があいて、そこから出血していることが確認できます。
ストリップパーフォレーション!?
湾曲している根の内湾においては、
特に大臼歯の根分岐部直下の根管壁は、通常の場合に湾曲した側の歯質が薄くなっているため、
不用意な根管拡大を行うことで菲薄な根管壁に穿孔が生じてしまうことがあります。
これをストリップパーフォレーションと呼びます。
下図はパーフォレーションのイメージ図になります。
今回のケースは根の中、分岐している根と根の間に穴があいています。
穴があいている=パーフォレーションと言えば、、、
MTAセメントの出番です!
今回はここまでになります。
今後の治療予定としては、
2つの閉鎖根管(MB &P)においては従来どおりガッタパーチャによる根管充填を行います。
パーフォレーションのあるDB根管においてはMTAセメントを使用する予定です。
次回のブログに乞うご期待下さい!
*MTA治療は保険適用外のため、自費治療として対応させていただいております。
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹