こんにちは。

東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。

藤本研修会エンドコースの第2回目を
受講してきました。

今回は、第2回目の中でも一番気になった
“破折”について
書きたいと思います。

破折というのは、歯が割れているということです。

破折は、大きく二つに分けることができます。

垂直性破折と水平性破折です。

水平性破折は、
第5回ぐらいで講義されるとのことでしたので、
今回のブログでは私もふれませんが、
水平性破折というのは
主に外傷によって引き起こされるものです。

そういうわけで、今回は垂直性破折のことについて
書きたいと思います。

   
   

垂直性破折は、5つに分類されます。

①Craze Line(ひび割れ)
②Fractured Cusp(咬頭破折)
③Cracked Tooth
④Split Tooth
⑤Vertical Root Fracture(垂直歯根破折)

④のスピリット トゥースは、
歯根の終末まで破折しているもので、
保存不可能な状態であり、
抜歯という診断になってしまいます。

垂直性破折の中でも、
③のクラック トゥースは診断が難しく、
⑤のバーティカル ルート フラクチャーは、
診断と処置が難しいものとなります。

両者は破折の発生場所が異なり、
診断と処置が難しいので、
今回の破折の講義の中でも
一番時間を割いていました。

 
 
 

クラックトゥースは、
なぜ診断が難しいのでしょうか?

歯髄炎(神経の炎症)の場合、
多くはむし歯から起こるため
分かりやすいのですが、
クラックトゥースの場合、
歯髄炎と似たような症状が現れますが、
むし歯はなく、かつ破折線が見えにくいので
分かりにくいのです。

これらのことが、診断を難しくしていると
いうわけです。

診断でクラックトゥースを見つけられるかどうかの
最重要な要因というのは、
我々が天然歯でも歯の破折が起こった時に、
患者さんが訴える症状として
現れるということを知っていなければならないと
いうことです。

このようなことが診断時に欠落していると、
診断名としてでてくることがなく、
見逃してしまう恐れがあると言えるでしょう。

次に、垂直性の歯根破折について
ふれたいと思います。

垂直性の歯根破折は、
歯根のあらゆる位置から始まり、
完全に破折したり、途中で止まる場合もあります。

垂直性の歯根破折は、
残存歯質量に直結しています。

そして、このことは修復処置に関わってきます。

ハートフル歯科で行っている
セレックによる修復処置は、
残存歯質量を考慮し、強い接着という考えのもと
行っているものなので、非常に歯にやさしい
修復処置と改めて感じました。

   

 
破折というのは、様々な所見から診断しますが、
視認しか確定診断には至らないということでした。

そして、診断が難しく、
治療手段が限られています。

しかし、今回の講義から学んだことは、
やはり診断が非常に重要であるということ。

診断がつかなければ、
そこで見逃してしまうかもしれないのです。

ただ、今回の講義を受けて、
私は少なくとも破折というものが
頭の中の診断の一つとして入りました。

もしかしたら、また一人歯の痛みで悩んでいる
患者さんを救うことができるかもしれません。

この仕事に誇りをもって、

日々の診療を行わせていただいております。

“すべては患者様のために”

今後ともよろしくお願い致します。

医療法人社団徹心会ハートフル歯科