こんにちは!ハートフル総合歯科グループ 歯科医師 小坂井竜也です。

今回からは入れ歯シリーズとなります。上の総入れ歯の作っていく流れや、ポイントを中心にお話します。

最後に噛める入れ歯が出来上がるのですが、今の入れ歯との比較して、どういう入れ歯が噛めるのか?という事も検証していきたいと思います。

 

今回は、タイトルのとおり、今ある入歯がかみにくく、食べてると落ちてくる

と言うことでお悩みの患者さんがいらっしゃいました!

まずはお話を聞いていきます。

この患者さんは、上顎は総入れ歯で、下の歯がインプラントが多く入っている方でした。

数年前にまでは上の歯もしっかり在ったのですが、倒れて、救急で運ばれた際の気管挿管時に、上の歯がすべて折れてしまったとのことで、入れ歯になってしまったそうです。

今の入れ歯はその時に作ったもので、前から、食事中咬みにくく、落ちてきてしまうことが悩みだったそうです。

お話を聞かせていただいたので、次は現時点でのお口の中と今の入れ歯の診査診断です。

まずは上顎ですが、気管挿管の時に歯が全てへし折られてしまい、根っこのみ残っている(残根)ものが数本ある他は、歯が全くない状態でした!

(写真は後日のせます)

ご持病を含めて、簡単には抜くことができないことと、患者さんの希望もあり、抜かずにそのまま入れ歯を作成することになりました!

下顎を見ていきましょう!インプラントが多数あり、自分の歯も数本残っていました。

(写真は後日のせます)

やや噛み合わせの平面が高いかなぁ、と感じました。

現在の入れ歯をチェックしていきます!

(写真は後日のせます)

噛み合わせの面も押しても痛みはなく、吸盤のように上顎にくっついて取れません!

噛み合わせも色紙でカチカチ、ギリギリと噛んでもらって確認しても、問題なく人工の歯にいろがついていました!

あれ?問題なさそうだな?と思いました。

しかし、患者さんに再度訪ねたら、痛みはないが、やはり噛めないし、落ちてくる、とのことでした・・。入れ歯の形は問題ないのに・・・

これはなかなか難しいかもしれないなぁ、と思いつつ、きっと原因は顎の本来の動きと入れ歯の噛み合わせが悪いのではないか?と考えました。

この考え方は実は過去にもブログでお話ししています。

しっかり噛めてそうなのに、なぜか噛めない・・・

その理由に入れ歯の特徴的な問題があるのです。

それは、入れ歯は「動く」からです。

 

歪んだ状態で噛んでいても、入れ歯の裏打ちは歯肉の上なので、ぐぐっと動いてそれなりに噛んでいるのです。

しかし、この動いた状態は、顎とうまく吸着できないので外れてしまい、落っこちてしまう状態です。

吸盤をイメージしてもらうとわかりやすいのですが、ちゃんまっすぐに吸盤を押せばガラス等にくっつきますが、均一な力で押さないと吸盤はくっつきません!

大まかにこの考え方が当てはまるので、正しい力が入れ歯に加わらないと、入れ歯は噛めないのです。

この正しい力というのが、顎の本来の動きと噛み合わせがマッチングしているしている状態なのです。

と、仮説を立てたところで、次回からは、実際の入れ歯作りに入ります。

 

全てか患者さんのために!

 

 

 

医療法人社団徹心会ハートフル歯科