入れ歯のお手入れ方法
こんにちは!ハートフル歯科総合グループ小坂井 竜也です。
今回は入れ歯のお手入れ、管理の方法についてお話します。
入れ歯をお使いの患者さん、またはご家族の方に入れ歯をお使いの方がおらっしゃる方にむけての
お話になります。
最近の研究で、入れ歯のお手入れを毎日しない高齢者の方は、肺炎を起こす確率が
65歳以上だと1.3倍、75歳以上だと1.6倍近くまで高まるという結果がわかりました!
肺炎は現在、日本人の死因の第5位となっており、その多くは高齢者です。
気管に入って肺炎になることを誤嚥性肺炎といいますが、肺炎の7割がこれに当たります。
肺炎で死亡する方の94%が75歳以上の高齢者です。
入れ歯のプラスチック部分(ピンクの部分等)は実は自分の天然の歯より汚れがつきやすく、簡単に菌が増殖しやすい環境になります。
この菌が食べ物や飲み物と一緒に喉に入り、気管に入り込んでしまうと肺炎のリスクが高まります。
このお話だけでも、入れ歯の毎日のお手入れが大切なことがわかります。
肺炎以外にも、お手入れしていかないとトラブルが発生します
口臭、口内炎、歯石沈着、残った歯が虫歯、歯周病になりやすい・・・
と言った点が挙げられますので、当然、入れ歯のお手入れは必要となりますね!
当院でお話をお聞きすると入れ歯に関してほとんどの方がお手入れをしてくださっていて、
とてもすばらしく思います!
ただ、稀にずっと入れっぱなしだよ!っという方もいらっしゃるようです・・・
そこで、入歯のお手入れ方法について、確認をしていきたいと思います。
①まずは、歯ブラシでの清掃です。
まずちゃんと入れ歯を外してから磨きましょう!
できれば入れ歯用の歯ブラシをお使いください。
当院ではライオン社の義歯用ブラシが比較的廉価で売っております。
入れ歯の内面やかむ面、金属のバネの部分をしっかり磨いていきましょう。
義歯用ブラシなら、入れ歯の内面は広く大きい部分で磨き、クラスプ等、細かい部分は
小さい部分で選択的に磨ける利点があります。
ただし、しっかりと言ってもゴシゴシ磨きすぎはやめましょう。
なお、歯磨き粉の使用はしてはいけません。なぜなら、入れ歯のプラスチック部分が
傷ついてしまい、ささくれだって痛い入れ歯になってしまうからです。
②就寝時のお手入れ
就寝時、入れ歯のお掃除後、使用しない場合は
水または義歯用洗浄剤につけておきます。
乾燥放置は入れ歯の変形につながります。
お湯に関しても入れ歯のプラスチックの変形につながりますのでやめたほうが良いです。
一番良いのは、義歯用洗浄剤につけておくことです。
当院では、ニッシン社のフィジオクリーン キラリ製剤をオススメしております。
入れ歯洗浄剤を使用すると、歯ブラシでは落ち切らない汚れや菌(カンジダ等)を除去できます。
入れ歯の内面にヌメリが出たり、白い汚れがついたりするのは菌が原因で、なかなかお掃除しきれないため
入れ歯の洗浄剤は非常に効果的になります。
また、このキラリ製剤は二酸化チタンによるヤニや着色汚れも落としてくれる優れものなのです!
なおかつ、中性なので、金属やプラスチックを傷めず使用できます。
なお、就寝時の入れ歯は使用していたほうが患者さんにとって利益が高い場合がありますので、医師の指示に従っていただければ、と思います。(特に部分入れ歯の方)
そして忘れてはいけないのが、残った自分の歯もしっかり綺麗にしていきます!
入れ歯を清潔に保つことで、美味しく食べられるどころか、命にも関わる大事なお話になりました。
全ては患者さんのために!