こんにちは
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回は右上第二大臼歯の大きなむし歯がある方に生活歯髄切断法を行ったケースについて書かせて頂きます。
前回のブログはこちらです→https://heartful-konkan.com/?p=18437&preview=true

実際に生活歯髄切断法を行っていきます。
まず、歯科麻酔をしていきます。麻酔の針がなるべく痛くないように表面麻酔のジェルを塗ります。表面麻酔を効かせたいので少し待ちます。
その後、針を通じて麻酔液を入れていきます。
麻酔がしっかり効いていることを確認します。

まずは、古い修復材料を歯科用回転切削器具で削り除去していきます。
歯科用回転切削器具で削る際に古い修復材料に熱が出ないように注水しています。
古い修復材料を除去したら次はむし歯を除去していきます。
健康な歯は固いですがむし歯に感染した歯はとても柔らかいです。

この画像はエキスカ(歯科用器具)を使用してむし歯に感染した歯質(軟化象牙質)を取っています。とても柔らかくグニュグニュでした。
感染している歯質なのですべて除去しなければいけません。
今回のようにむし歯が歯の神経に近い場合は一度にむし歯を除去すると歯の神経が露出してしまいます。むし歯が多くある状態で歯の神経が露出するとむし歯菌が感染する可能性高いです。
ある程度むし歯を除去してから唾液などが入らないようにするためにラバーダムをかけていきます。
歯質が少ない状態だとラバーダムが装着できません。

ある程度むし歯が除去できたらコンポジットレジン(歯科用のプラスチック)を使用して隔壁といって歯に補強をします。
隔壁を作りゴムのマスクのラバーダムを装着します。

ラバーダムをするために歯にクランプという金属の器具をかけます。そのため隔壁がないとラバーダムができません。
生活歯髄切断法は歯の神経の一部を除去するため、なるべく唾液などが入らないようにするためラバーダムを行いました。
今回のケースは、歯とクランプの間に隙間がありました。
この隙間から唾液が漏れて来ないように封鎖する歯科材料をつめていきます。

この画像は歯とクランプの隙間に白い材料で封鎖しています。

歯の周りの隙間を埋めました。
試しに水をためてラバーダムの下に水が漏れないか確認します。
水が漏れれば封鎖性が悪いので再度隙間を埋めてしっかりシールします。
今回はむし歯をある程度除去して、コンポジットレジンで隔壁を作成しラバーダムを装着しました。
次回は、むし歯を除去し歯の神経を一部除去する生活歯髄切断をおこなっていきます。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史

医療法人社団徹心会ハートフル歯科