抜歯後の注意事項〜出血の管理とケアのポイントについて 〜
みなさんこんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮です
今回は抜歯後の注意事項について
①抜歯後の一般的な経過について
②出血の管理とケアのポイントについて
③腫れと痛みの軽減方法について
④食事の注意点
⑤歯磨きについて
の順にお送りしています
よくある質問についての回答も最後に行いますので最後までご覧ください
前回は
①抜歯後の一般的な経過について
を解説しました。
前回のブログはこちらから
今回は
②出血の管理とケアのポイントについて
からお話していきます
②出血の管理とケアのポイントについて
抜歯直後は麻酔が効いているため、麻酔の成分にもある血管収縮薬のおかげで
出血の量が減っています。しかし術後2~3時間経過すると血流が元に戻るので
一旦止まったと思った出血も再度出やすい状態になります
そのため抜歯当日は血流の良くなるような運動・入浴・飲酒は避け、
安静にしておくことが望ましいです
また、血の味が気になると思いますが、
強くぶくぶくうがいをしてしまうと血餅という血の塊が出来づらくなってしまい、
術後に感染を起こしてしまう可能性があります
術後に感染を起こした状態をドライソケットといい、
その名の通り抜歯した穴に血の塊がなく乾いてしまっている状態をいいます。
ドライソケットになってしまうと痛みがずっと続き、臭いや膿んでいる味がするなど
抜歯後に治癒不全になってしまう可能性があります
ドライソケットになってしまうと場合によっては再掻爬といい、
麻酔をしてゴリゴリと骨を削ってわざと再出血をさせ、
血の塊をつくる処置を行わなければなりません。
避けられるなら避けたいですよね・・・
ということでドライソケットの予防としても出血の管理がとても重要となります。
ドライソケットの予防も兼ねて再度出血に対しての管理の仕方をいいますね
・抜歯当日は血流の良くなるような運動・入浴・飲酒は避け、安静にしておくこと
・血の塊が出来にくくなってしまうので口をゆすぎすぎないこと
・歯ブラシや歯間ブラシなどで血の塊を触らないこと
・感染を起こさないように清潔に保つこと
・血管収縮により出血量が減ってしまうためタバコを控えること
(できればずっとが望ましいが、少なくとも術後1週間は避けてください)
では出血が出てきてしまったらどのようにケアしたらいいのでしょうか?
基本的に微少な出血は術後2~3日続くこともあります。
しかしほとんどの場合は少量の出血が唾液に混ざり、全体的に血の味がしてしまうため
出血が止まってないのでは?と思われてしまうことがほとんどです。
軽くゆすぐ程度にうがいをして再度抜歯直後と同じようにガーゼや濡らしたティッシュを噛んで
15~20分程度噛んでもらえれば圧迫止血が可能です。
中には本当に血が止まらない方もいらっしゃいます
ドロっと生レバーのような血の塊が多く出てきてしまう、口角から血が溢れ出てしまうなど
がある場合は患者さんがご自身で把握できていない血が止まりにくい体質の場合もありますので
ガーゼを噛んでも血の量が減らないなどがあればすぐ歯科医院へご相談してください
正しいガーゼの使い方は抜歯した部分の圧迫止血をすることにあります
ただガーゼを噛んだだけでは圧迫止血にならないので、
ガーゼを丸めて歯よりも大きいサイズの団子状にして出血している部分を
圧迫するようにガーゼを強く噛んでください
ガーゼを20分くらい噛んでもらえれば血が止まることがほとんどです。
それでも変わらない場合は歯科医院へご相談してください
滅菌ガーゼは歯科医院へ言えばもらえることが多いので、心配な方は多めにもらっておきましょう
今回はここまで
次回は
③腫れと痛みの軽減方法について
からお伝えします
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・