こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

前回から破折歯接着治療症例集2022③として接着治療(口腔内直接法)の症例

についてお話しております。

 

前回は〜術前編〜として

破折の発見から治療法の選択までをお話しました。

 

それでは前回のあらすじから

メンテナンスに通う50代の男性。

歯肉から膿が出てきているという指摘を受け、

歯根からの炎症と判断し根管治療から行うこととなりました。

マイクロスコープで根管内を確認すると、歯根の歯質に亀裂が生じているのが確認できました。

口腔内接着が行えるように、

破折部分の消毒を行うため、破折線に沿って消毒のお薬を満たし当日を迎えます。

ここまでが前回までの流れです。

 

仮蓋を外し、消毒のお薬を洗浄します。

汚れや出血もなく準備万端です。

現在では接着治療の際にシリンジ(注射器)を用いて根管内に

医療用接着剤を流し込んでおりますが、

古い症例のため、専用筆で根管内に医療用接着剤を入れております。

医療用接着剤を根管内に流し込み、

レジンのコア材(土台)を充填します。

それにより医療用接着剤に圧力がかかり、より破折部へと接着剤が入っていきます。

グラスファイバーコアを立て、

光照射にて硬化させていきます。

よく同業の先生からも質問を受けますが、

接着治療当日は医療用接着剤のみで接着を行い、

グラスファイバーコアを立てるのはどうかというご質問をお受けします。

もちろん色々な先生方のご意見もありますので、否定をすることは差し控えますが、

同日に医療用接着材、レジンコア材、グラスファイバーコアを織り交ぜることで

接着界面が生まれないため、亀裂の入った歯根の撓みによって土台の脱離や応力の集中が

避けられると考えております。

そのため、接着治療当日は手際よく処置を進めなければならないために、

事前準備が重要となります。

 

まさにアシスタントさんとの連携プレー。

 

レジンコア部分に関しては光照射により硬化しますが、

医療用接着剤の部分に関しては硬化に時間がかかるため、

光照射により土台の硬化を確認したら当日はそれ以上の治療は行いません。

それ以降の被せ物の型取り、取り付けに関しては

次のアポイント移行に行います。

 

ここまでが〜接着編〜のお話になります。

 

次回は最終章〜術後編〜になります。

セラミック治療を入れた後、この歯を長く保つことはできるのか・・・

 

破折による保存不可能と診断された方、

抜いてしまうその前に何かお手伝いすることができるかもしれません。

一度ご相談ください。

 

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科