「保存的治療」における歯牙移植とは
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回のシリーズは症例集ではなく、当院の「保存的治療」についてお話しさせていただいております。
というのも来年度の新入社員を含めたオリエンテーションの中でスタッフ向けに
私の行なっている治療について院内でお話しする機会をいただいたので、
今回から何回かに分けていつもブログをご覧いただいている方向けに内容を患者さん向けに
少し修正してお送りできればと思っております。
今までのブログを読んでいただいている方からすれば総集編と言うような形での
お話となりますので、重複するところもあるかと思います。
今回から「保存的治療」における歯牙移植についてお話していきます。
外科処置のため出血の場面もあるかと思いますのでご覧になる方はお気をつけください。
以前掲載したブログからの症例となりますので、他の症例をご覧になりたい方は
今後「歯牙移植症例集」をU Pしていきたいと思っておりますので、そちらをお待ちいただければ
幸いです。
歯牙移植とは
機能していない歯「移植歯(ドナー歯)」を移植先「移植床(レシピエント)」に移植すること。
大昔は他の人から歯を移植した他家歯牙移植を行っていたという歴史もありますが、倫理的にも
現在は自分の歯を移植する治療のみ行われており、自家歯牙移植ともいいます。
歯牙移植の歴史は古く、1950年代から行われていたという記録があり、現在のタイプのインプラント
よりも昔から行われている治療なんです。
抜いた歯をもう一度戻すことを「再植」、
違う場所から移してくることを「移植」と呼びます。
移植の成功率は90%〜93%といわれており、決して少ない成功率ではありませんが、
近年インプラント治療の進歩により(成功率:下顎98%以上、上顎95%以上)、
インプラント治療ほど高い成功率ではありません。
私も歯牙移植を始めて3年ほど、40件弱ほど移植手術を担当させていただきましたが、
やはり成功率は同程度といったところでしょうか。
今後の経過を長く見ていかなければ正確な5年予後、10年予後を自分の経験値からお答えすることは
難しいですが、移植の成功率を含め、インプラント治療やブリッジ、部分入れ歯を比較しながら、
何が患者さんにとって最適な治療法なのかをご相談させていただいております。
歯牙移植を多く担当させていただいておりますが、
すべての症例において「歯牙移植が一番!」という考え方は全くありません。
患者さんのこれからの生活を考えた上で何が一番かを患者さんと導き出す。
それが最善の治療だと考えております。
それでは次回はインプラント治療と比べた歯牙移植のメリットについてお話しさせていただきます。
あなたの歯が一本でも多く残せますように・・・